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2023.04.08
『自信のなさ』『自分が満たされたいという気持ち』どう付き合い・対応したら良いのか【カウンセリングの視点】
INDEX
- 自信がない事や、自分が満たされたいという気持ち
- 【カウンセリング①】自分のもっと『満たされたい』・『認めてもらいたい』という気持ちは大切にして良い
- 【カウンセリング②】『満たされる』『認めてもらえる』ように相手を仕向けようとする行動には注意
- 【カウンセリング③】認めてもらうための『マイナス表現』は、虚しさや否定的な考えが浮かびやすい
- 【カウンセリングの提案】自分の内面に気づく事は第一歩
- 【カウンセリングの提案】比較的揺らぎのない人間関係の中で、満たされない気持ちを満たしてもらう事で自信をつけることも
- 【カウンセラーとの取り組み①】心理士やカウンセラーとの理解や共有
- 【カウンセラーとの取り組み②】自我を変化させていくきかっけにも
- 【カウンセリングの目標とは】実は“自分が一番の理解者“でもある
- さいごに
自信がない事や、自分が満たされたいという気持ち
自分に自信がない、なんだか自分は満たされていないという気持ちは、タイミングが重なることで顕著に表れることがあります。
そのタイミングとは、恋愛関係やや家庭、さらには学校や会社での出来事、などタイミングであることが多く、自信のなさや、自分が満たされていない気持ちが強く出現することで、悩みを大きくしてしまうことがあるからです。
ここでは、自分が満たされたいという気持ちや、自信のなさについて、カウンセリングの視点から記載をしております。
【カウンセリング①】自分のもっと『満たされたい』・『認めてもらいたい』という気持ちは大切にして良い
自分の満たされたいという気持ちや、認めてもらいたいという願望は決して悪い事ではありません。自分を認めてもらいたい、自分が満たされたいという気持ちは、大きく自分を変化させ、良い意味で成長を促すことができ、またその成長を元に、もっと頑張ろうという勇気づけにもなります。
【カウンセリング②】『満たされる』『認めてもらえる』ように相手を仕向けようとする行動には注意
しかし、そのような感情や承認欲求を満たす方法として、自分だけを向いてもらうように仕向ける行動に集中してしまう行動には注意が必要です。
自分から頑張っていることをアピールする事
自分の弱みを見せることで相手の注意を惹く
自分が傷ついたり、不利益を被ることで罪悪感を抱かせるなど
振り向かせようと(ちょっかいを出すなどの)行為や相手への危害を加えること
アピールする相手を何人も増やそうとする
なぜならこれらの行動では、「満たされる」「認めてもらえる」という成果は、ほんの一瞬で終わってしまいやすいからです。
そして相手の心配・罪悪感といった、ネガティブな側面にも働きかけるため、『後味の悪さ』や『期待外れ』といったマイナスの印象を相手が持ちやすく、周囲との人間関係を悪化させたり、希薄なものとなりやすいので注意が必要です。
【カウンセリング③】認めてもらうための『マイナス表現』は、虚しさや否定的な考えが浮かびやすい
認めてもらう事、満たされるための行動に集中して繰り返してしまうと、しだいに周囲との人間関係が希薄・悪化しやすく、自分自身の人間関係で極端な選択をして、臆病になったり、どんどん自分を傷つけてしまっている事もあるのです。
また、一時的でしか、『満たされていない』行動であるために、満たされない気持ちに自分から気が付かずに、結果として自分がさらに疲弊してしまう事を繰り返してしまうと、虚しさや否定的な考えがどんどん強く浮かび易くなってしまいます。
【カウンセリングの提案】自分の内面に気づく事は第一歩
自分自身が満たされていないと感じていることを自覚することは、自分の人間関係の苦労を紐解くことにつながります。
「相手から与えてもらう事を求め続けたり」、「望むことをする人を選び続ける」、「自分をちゃんと見てくれる人を求めたり」といった相手に求める自分の欲求の“意味”を知ることができるかもしれないからです。
また、自分自身が満たされていないと常に感じる原因や、自信のなさのルーツをたどることも時として大切な場合があります。幼少期の家庭環境など自分の考え方のルーツを知ることは、その後の経過とともに“自らを変えていこう”という内なるめばえを導いてくれることもあるのです。
【カウンセリングの提案】比較的揺らぎのない人間関係の中で、満たされない気持ちを満たしてもらう事で自信をつけることも
自分が満たされないと感じていることや、自分に自信が持てない時には、満たしてもらう事で回復を図ることができます。
しかし、重要なのはその自信や満たされない感情を満たしてくれる相手がどんな人間関係かという点です。“別れたりを繰り返すことが可能”な、つまりは簡単に替えの効く程度のパートナーや、“体だけの関係”や“不倫”など比較的流動的で危機のある人間関係から得る自信ではないという点はとても重要なのです。
たとえば学校の先生や、学校の友人、部活の先輩や顧問、家族や親せきなどから、褒められたり認められたりする体験は非常に大切です。機能不全家族が背景にある場合には、母親でなく父親など比較的良好な関係が保たれている相手がふさわしく、このような比較的自分と人間関係の揺らぎがない相手との間で、理解者が一人でもいることで救われることは多々あります。
【カウンセラーとの取り組み①】心理士やカウンセラーとの理解や共有
まずはカウンセラーとともに、適切な理解者が身近位にいないかを一緒に探ったり、もし周囲にふさわしい理解者がいない場合には、担当の心理士・カウンセラーが理解者の役割を果たすことも実は多いのです。
無意識に相手のネガティブな気持ちに働きかけて一時的な評価を得ようとする行動ではなく、心理士やカウンセラーなどの理解者がいることで、褒められたり認められたりする体験を積み重ねて自己を安定化させるきかっけにもなります。
【カウンセラーとの取り組み②】自我を変化させていくきかっけにも
最初は「褒められるようなことではない」と自ら否定してしまう事もありますが、「頑張っている事」「できている事」を他者から指摘してもらう事は自我を少しづつ変化させていくきっかけにもなります。
自分のできていることが理解できることで、次に何をすべきか、あるいは何ができるか、という思考へとつながることもあります。また、仮に上手くいかなかったことがあっても、自分のよりどころがはっきりすることで、不安定さが軽減することがあります。
【カウンセリングの目標とは】実は“自分が一番の理解者“でもある
理解者から褒められたり、認められたりする行為も大切ですが、最終的には自分で自分を認めたり、ねぎらったりできるようになることを目指していく事も重要なのです。
最初は、「こんな事、できて当たり前」と自分を褒めることを自制してしまう事もあるかもしれませんが、「できていることはあなたが頑張った証(あかし)である」といったねぎらいのやり取りを心理士・カウンセラーと一緒に取り組むことで、褒められることや自分で自分を認めることを受け入れていく事が少しづつ増えていきます。
さいごに
『自信のなさ』『自分が満たされたいという気持ち』どう付き合い・対応したら良いのかという点について、カウンセリングの視点から記載をいたしました。
とくに、自信のなさや自身が満たされたい気持ちのために、相手を振り向かせようとしたり、相手の理解や、時に罪悪感などに働きかけて、自分が満たされようとする行動は、一時的にしか効果がないこともあり、しだいに虚しさや否定的な感情などが生じやすいので注意が必要となります。
自分ができていることや、自分の行動に対して認めてあげられる取り組みを繰り返すことは大切ですが、安定した人間関係や、カウンセラーや心理士といった理解者の立場は大変重要です。
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監修者
カウンセリングルームここまり医師
医師としてのメンタル診療やメンタルヘルスに関する視点だけではなく、様々な人たちの日々の悩みなどにも注目して記事の記載や監修を行っています。カウンセリングルームここまりは臨床心理士と公認心理師の所属する名古屋市の金山と名古屋駅のカウンセリングルームです。
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