「うつ病」の日内変動について

仕事 学校 医学

2023.06.22

「うつ病」の日内変動について

うつ病の日内変動とは

うつ病には日内変動があります。

また、この変動は、本人すらコントロールが難しいことが特徴でもあります。

そのため周囲の人たちの「うつ病」という病気への理解や把握の困難さに繋がっているのかもしれません。

うつ病では、朝が一番しんどい傾向に

うつ病の特徴として、朝のしんどさや、倦怠感などが挙げられます。

具体的には、

気力の低下(起き上がれない・食事や歯磨きなどができない)

倦怠感・鉛のような体の重たさ

ぼうっとする、睡眠不足の感じ

が、うつ病の最も特徴的な症状ではありますが、その他に、気持ち悪さ・腹痛・頭痛・めまい・耳鳴りなど、体に多岐にわたり症状が出ることがあります。

そして、このような症状の為に、学校や職場に行けないだけではなく、体が動かなくて連絡が取れないなどの症状が出てしまい、結果として無断欠勤や無断欠席のような形となってしまうことも少なくありません。

昼頃から少しづつ和らいでくるが・・・

そして昼頃から徐々に和らいでくる方も見えますが、気力の低下が激しいと、昼を過ぎてもなかなかベッドから起き上がることができない方が見えます。

また、日によっては、朝も比較的安定していて、1日過ごせたとしても、翌日は全く動けない、倦怠感やしんどさが翌日反跳的に出現してしまう方も見えます。

このように個人差はあるものの、朝の状態の悪さや、日内変動が大きいという点、更には毎日状況が変動しうるという点が、「うつ病」の特徴でもあります。

新型うつ病や非定型うつ病では少し違うことも

ちなみに、新型うつ病や非定型うつ病では、朝方は良くても、夕方にかけてだんだんと調子が悪くなることがあります。

新型うつ病に関しては、まだいろいろな議論がなされていますが、通常のうつ病と異なるという「新型」「非定型」であり、時には適応障害やパーソナリティー障害などの関与などを指摘する報告もあり、まだはっきりと分かっていないことは多い疾患ではあります。

しかし、うつ病同様に、日内変動を伴い、また休日などは比較的調子が良いという特徴もあるため、日によって状況が変化しうるということは、「新型うつ病」「非定型うつ病」の特徴でもあります。

日内変動がある。つまり状態が良いと思っても油断できない

日内変動の存在について紹介をいたしました。

悪い状態の時だけではなく、少し落ち着いた状態があると、ついつい良くなったと思って「無理をしてしまったり」してしまうことは禁物です。

日内変動が存在しうる「うつ病」という認識の元で、生活のリズムを調節しながら、時には目先の体調の変化にとらわれすぎず、治療計画を行う疾患でもあると言えます。

さいごに

うつ病に関する日内変動について記載をしました。本人がコントロールできないだけではなく、日によって良い時もあるなど、程度の差が生じやすいのがうつ病の特徴でもあります。

そして、このように変動のある症状のために、意図せず「無理をしすぎてしまったり」、目先の体調の変化に囚われてしまい落ち込んでしまうことも少なくないというのが、うつ病の特徴でもあります。

カテゴリ:

仕事 学校 医学

監修者

カウンセリングルームここまり医師

カウンセリングルームここまりの精神科医師と公認心理師・臨床心理士による記事記載と投稿。

医師としてのメンタル診療やメンタルヘルスに関する視点だけではなく、様々な人たちの日々の悩みなどにも注目して記事の記載や監修を行っています。カウンセリングルームここまりは臨床心理士と公認心理師の所属する名古屋市の金山と名古屋駅のカウンセリングルームです。

※只今、オンラインカウンセリングの新規受け入れを休止いたしております。相談歴がある方は担当カウンセラー宛に当ルームへご連絡ください。

このサイトは医療機関である心療内科・精神科のひだまりこころクリニックによる指導・監修がなされています。