パニック症・パニック障害と『心理面・認知行動療法』について

仕事 学校 心理 医学

2023.05.18

パニック症・パニック障害と『心理面・認知行動療法』について

パニック症・パニック障害とは

パニック症・パニック障害と聞くとどのようなイメージをお持ちでしょうか?

パニックという大変インパクトのある名前の通り、強い不安や緊張を伴う心身の症状が急峻に訪れる疾患です。

地震や津波、更には何か命を脅かすような驚愕の事が起きようとするとき、あるいは起きた時、人は恐怖と不安や緊張のために、発汗したり、心臓がどきどきしたり、叫びたくなるような衝動に駆られたり、息がとまるような程こわばったりなど、心身の反応が訪れることが予想されます。

しかし、これらの心身の症状が、命を脅かすほどではない状況でも出現してしまうことを、「パニック症」あるいは「パニック障害」と言います。そして、パニック症やパニック障害に伴う急峻な強い心身の症状は、「パニック発作」とも呼ばれ、パニック症だけではなく、各種不安症の診断基準や重要な症状の一つとされています。

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パニック発作はとても辛い苦痛を伴う

パニック発作は、発汗や、息苦しさ、頭痛、気が遠のく感じ・倒れてしまうのではないかと思う失神感など、様々ではありますが、生命の危機を感じさせるほど、強く苦痛な症状が急峻にピークに達するため、大変恐怖と不安を伴う発作でもあります。

またパニック発作が起きるのではないかと余計に不安に感じる

パニック発作が強い苦痛が伴う症状であるために、また起きるのではないかと不安になり、常に緊張状態・不安な状態が続いてしまい、それだけでストレスや疲労感が大きな要因となってしまいます。

この、また起きるのではないかという不安は、予期不安とも言います。

ここで、パニック発作が起きたらどうしよう

パニック発作が意図せず、外出先や、誰かほかに頼れる人がいない時に起きてしまうかもしれない状況の時、「発作が起きて誰も助けてくれなかったらどうしよう」という恐怖と不安が高まり、余計に緊張状態・不安状態が起きてしまうことがあります。

このことを『広場恐怖』とも言います。

外出や社会生活に支障が出てしまう

パニック障害だけではなく、広場恐怖や予期不安といった不安に関連した更なる恐怖のために、会社や学校にいけない、外出ができないなどの生活への支障が起きてしまうのです。

不安という感情と心理面

苦痛を伴うために、『不安という感情』に敏感になりすぎてしまう

不安や恐怖という感情、更には不安と恐怖に関連した身体症状は、私たちにとって苦痛を伴うものでもあります。

パニック障害のように不釣り合いな不安症状が出てしまう時、外出を控えたり社会生活を制限するなど、不安を避ける行動を選択せざるを得なくなってしまうこともあります。

また、これらの恐怖や不安の体験から、『不安という感情』にとても敏感になりすぎてしまい、更に『不安』の感情に対する心身反応が大きくなってしまうために、不安の負のサイクルと呼ばれることもあります。

認知面に焦点を当てた認知行動療法も

このように、『不安という感情』と『心身の苦痛』が強く結びついてしまうことで、不安に対する敏感さや、心身反応への恐怖が強くなってしまう認知面の強い結びつきに注目した認知行動療法をカウンセリングで取り扱うこともあります。

『不安』と「発作」の関係性の見直し

認知行動療法とは認知面を見直しながら、それを少しづつ行動に移して治療を遂行していくことではあります。つまり具体的には小さな不安に注目した時、身体の強い症状や発作が出ないことを確認すること繰り返すなど、『不安は必ずしも発作に繋がるものではない』、『不安は時間と共に弱くなり過ぎ去るものである』という認識を少しづつ深めていくことでもあります。

成功体験を積み重ねていく

【小さな不安であれば、ちゃんとやり過ごせる】、そのような認知行動療法に関連した「成功体験」を積み重ねていくことで、少しづつ日常生活でできていること、できるようになったことを、重ねていくのです。

さいごに

パニック障害やパニック症の不安と心理面について解説をいたしました。特にパニック発作のように、死を意識する程の強い症状が起きた時、不安はピークに達し、『また発作が起きたらどうしよう』『ここで発作が起きたらどうしよう』といった不安の負のサイクルを生み出しやすいと言えます。

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監修者

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