仕事 学校 心理 医学
2023.05.17
新型うつ病・非定型うつ病『心理面とカウンセリングの特徴について』
INDEX
新型うつ病について
新型うつ病とは非定型うつ病の事で、正式な病名ではありませんが、通常一般的なうつ病の状態とは異なるからこそ、「新型うつ病」や「非定型うつ病」と呼ばれています。
何が通常のうつ病と異なるのか
特に新型うつ病や非定型うつ病では、週末や土日の友人との付き合いや趣味の会合などのイベントには参加したりある程度楽しんだりすることができるという点が特徴です。
しかし、新型うつ病と非定型うつ病も、鬱病と同様で、抑うつ気分が継続しており、うつ病の診断基準は満たすという点には注意が必要です。
『仮病?』『さぼり?』とも捉えられかねない
そして、そのような余暇や週末にイベントに参加して楽しめたとしても、どこか本調子ではないという点が新型うつ病でもあります。
その為、周囲からは『さぼり』と捉えられてしまったり、『仮病』として扱われてしまうことも少なくありません。またこのような行動が、更に周囲との人間関係に影響を与えてしまうことになりかねません
新型うつ病の実態とは、心理面から考える
新型うつ病にはいろいろな見解がありますが、不調の様子に『ムラ』があったり、適応できない場面が『まだら』に存在していることが根底に関係していることが多いです。
その為、「適応障害」の一部や「パーソナリティー障害」の合併とも考えられていることもありますが、その病態にはまだまだいろいろな諸説があります。
新型うつ病の特徴的な問題の一つである『ストレス耐性の低下』
新型うつ病には、ストレス耐性の低下が認められます。
つまり、ストレスの低い環境なら、場に応じた行動や振舞うことができますが、ストレスが高い環境では不調が出現したり悪化しやすいのです。
言い換えれば会社や学校でのあるシーンへの適応はできないが、休日や趣味に対する適応や順応はできるという、『ムラ』や『まだら』さがあるのです。
そして、しだいにストレス耐性の低下は進行するため、仕事や学校などの取り組みに参加することが辛くてできなくなってしまうのです。
心理面のアプローチ『ストレス耐性への注目』も大切
新型うつ病や非定型うつ病のきかっけや背景は、相談者それぞれ異なります。そして、一般的なうつ病と同様に、ネガティブな思考を大きく膨らませやすかったり内面や性格面を含めた、認知面へのアプローチはとても大切です。
ですが、もし新型うつ病や非定型うつ病に対する特徴的な、心理的アプローチは?と聞かれると『ストレス耐性への注目』が挙げられるのではないでしょうか?
では「ストレス耐性への注目」とはどのようなものがあるでしょうか?
もちろん、ストレス耐性への注目と一言にいっても、様々な視点があります。
新型うつ病のすべての人に当てはまるわけではありませんが、もし『ストレス耐性』といった点に注目した時、
・頑固さ
・自分のルールに対するこだわり
・他責的な考え
・過敏さ
・自分軸中心の考え
など、の傾向が強く出すぎてしまうタイミングはないか、見直してみることはあります。
ストレスの受容やストレスの許容、そしてストレスの耐性という面を考慮した時、これらの傾向が相談者の柔軟さを妨げている可能性もあるかもしれないからです。
自分の特徴を知り、自分の視点だけではなく多角的な視点を取り入れながら、物事をストレスとしてだけではない、側面を見つけることを目指すことは大切です。
もちろん、無理をして見つけていくという訳ではなく、実際はカウンセラーや心理と取り組みながら気付きを深めるという表現の方が近いかもしれません。
さいごに
新型うつ病や非定型うつ病の心理面やカウンセリングの特徴について記載をしました。ストレスとなる背景を理解を深めるだけではなく、相談者の柔軟さや、物事の多角的な側面に注目できるように目指していくことは、メンタル不調の予防や再発防止にとても有用であると考えます。
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監修者
カウンセリングルームここまり医師
医師としてのメンタル診療やメンタルヘルスに関する視点だけではなく、様々な人たちの日々の悩みなどにも注目して記事の記載や監修を行っています。カウンセリングルームここまりは臨床心理士と公認心理師の所属する名古屋市の金山と名古屋駅のカウンセリングルームです。
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