家庭 子育て 友人関係
2023.04.10
機能不全家族が背景にある『自分に自信がない』カウンセリングの特徴とは
INDEX
『自信のなさ』機能不全家族が関与しているとき
機能不全家族とは、家族内であっても、抑圧やコントロールの関係にあり、相手の機嫌を損なわないように行動したり、相手の顔色を窺って自分の意思を押し込め、演技をしてしまうことにもあります。
子育てや教育の家庭から、価値観や生活のリズムの押し付けなど、必要以上の親から子供への干渉やコントロールは少なくなく、子供自身が成長して親から離れていくにつれて、社会的な適応ができずに支障が出てしまうことがあります。
ここでは、機能不全家族が関与した場合の『子供の自信のなさ』に関して解説をしてみました。
機能不全家族の場合、育まれるべき自信が家庭内で満たされていないことは多い
機能不全家族の場合、『親の顔色を窺ったり』『親に良い子』と思われるように行動を選択していることが多く、『親がどう思うのだろうか』という、他者による価値観の意味付けが主体となった価値観に偏ってしまうため、自分の事を評価することはもちろんの事、周囲から見える自分に非常に敏感になり、ときに、『本当の自分ではない・親の前での無理した自分しか評価されていない』のではないかという不安もあり、自己肯定感や自己評価が低い方が非常に多いです。
友人との語らいや、自助グループなどの存在も
またこれらの家庭環境が背景にある場合、共通の悩みをもつ友だちと話すことは、自助グループなどもありますので一定の治療効果は認められていると思います。
何よりも近い体験をしていることで共感できる部分は多々あるようです。ただ時間の経過とともに、お互いのネガティブの比較、傷の舐め合いになってしまうこともあるので建設的な治療的効果ばかりではないかもしれません。
カウンセリングでは、自信や自己評価の見直しに取り組むことも多い
特にカウンセリングでは様々な悩みのテーマからひも解いていくうちに、誰かの評価や目を気にしてしまうことや、自信のなさについて分かったときに、『機能不全家族』の影響に改めて気が付き、カウンセリング内で『自信や自己評価の見直し』に取り組んでみるということは少なくありません。
特に、機能不全家族が背景にある場合、家族の評価や家族の顔色を窺いながら過ごすことも多く、また自分の意見を言いづらかったりコントロールされる場面が多いと、しだいに自分が褒められるという実感が湧きづらくなってしまうことも少なくありません。
その場合、家族以外の場所で満たされなかった部分を満たしてもらうことで自信を取り戻す(自信をつける)ことも大切で、カウンセリング内で一緒に検討することもあります。
家族以外の場での体験を見つめなおしてみることも
例えば、学校の先生や友人、部活の先輩などに褒められたり認められたりする体験はとても重要です。また家族の中でも母親とは不仲だけど父親は理解してくれて関係が良好、など、1人でも理解者がいることで救われることも多々あります。
カウンセリングではフィードバックも重視している
確かにカウンセリングでは、(あくまでも、私の場合ですが)身近な人の中でそういった方がいないか、ということを探ることもあります。カウンセリングでは検討ばかりの場ではありません。
環境面の確認だけではなく、その結果あなたはどう感じたのか、どんな風に関わってもらうことが自分にとってプラスになっているか、どんな言葉や態度に救われそれに対してどう感じているかということを確認します。
そのような、プラスの体験をフィードバックすることは、本人がちゃんと褒められているという大きな実感にも繋がるからです。
カウンセラーも一緒に取り組むことも
もし外部で自分の評価や自分の自信につながるきっかけとなる人がいなかったり、見つけることが難しい場合、カウンセリングでは担当心理士がその役割を果たすこともあります。
頑張っていること、努力していること、できていることなどを一緒に探し心理士からたくさん褒め労います。
最初、相談者さんは否定されることも多いですし「自分のやっていることはできて当たり前」といったいった発言もよく聞かれます。ですが、繰り返し「できていることは決して当たり前ではなくあなたが頑張った成果」ということを伝えていくと、褒め言葉を受け入れてくれるようになります。
次第に自分で、褒めてあげられるところを見つける
状況によってですが、一緒に「自分の褒めてあげられるところ」を見つけることもあります。他者から認められることも大事ですが、自分で自分を認め褒めてあげられることが、なによりも自信につながっていくかな、と思っています。
いずれにせよ、相談者さん自身が自分からも他者からも認められる、褒められるべき存在であることを知ってもらうことを心掛けています。
さいごに
今回は機能不全家族をテーマとして自身のなさについて紹介をしました。自身の弱みを理解するということはとっても大事なことだと思います。やはり自分がどの部分で満たされていないのか、何を求めているのかなど自分のことをわかることは心理的な治療において必要不可欠だからです。
ですが、機能不全家族であることを認めたり、自分の弱みを理解することはとても辛いことでもあります。また、機能不全家族が背景にある場合、過去の体験に対する想いや整理や癒しを必要とすることもあります。カウンセラーと共に取り組むことで少しづつ自分自身の良い面や褒められるところに目を向けていけるようにサポートできたらと考えております。
カテゴリ:
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監修者
カウンセリングルームここまり医師
医師としてのメンタル診療やメンタルヘルスに関する視点だけではなく、様々な人たちの日々の悩みなどにも注目して記事の記載や監修を行っています。カウンセリングルームここまりは臨床心理士と公認心理師の所属する名古屋市の金山と名古屋駅のカウンセリングルームです。
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