家庭 仕事 学校 心理 医学
2023.06.21
不安感情と認知面・認知行動療法について
不安感情が強い時
不安という感情は、自分の身の安全を守る上で、とても大切です。生命の危機に対して、適切な身体反応や回避行動をとるために、不安という感情は必要な感情でもあるからです。
しかし、不安な感情が、日常生活において強い状態で継続したり、不適切なタイミングで生じてしまうと、日常生活に支障を来してしまいます。
これらの、不釣り合いな不安感情が出てしまい、生活に支障が出てしまうことは医学的には不安症にも該当する部分がありますが、不安症にはいくつかの疾患や症状が含まれており、パニック症や広場恐怖症、社交不安障害などがあります。また、DSM5上は不安症とは別の疾患として分類されますが、強迫性障害という不安に関連した行動や社会活動の制限もあります。
不安の感情のつらさとは
不安感情は必要な感情ではありますが、苦痛な身体症状や精神的な負担をもたらすことがあります。不安感情にはここから逃げ出したくなるような切迫した心理や、鼓動が早くなるなど血の気が引く感じがするなどがあります。
不安感情は時間と共にピークを越え、弱まっていきますが、不安症や強迫性障害のために、強く耐え難い切迫した不安に絡んだ心理が何度も出てしまうことは、恐怖として高まってしまうのです。
心理カウンセリングでの不安感情について
不安感情が、強く出すぎて社会活動に支障が出てしまう、不安感情が出ることが不快で恐怖に繋がってしまっている時、心理カウンセリングでは、認知面にフォーカスを置いて心理療法に取り組んでいくこともあります。
認知面に注目:不安感情≒怖い・恐怖
不安感情に伴う、切迫した恐怖がどんどん大きくなってしまうことで、このように不安になるかもしれない状況や環境そのものが、「恐怖」として結びつきが非常に強くなってしまいます。
認知行動療法とは
不安を、強い恐怖に結び付けすぎてしまっている時、あらゆる不安を想起させる、状況が不安と恐怖に結びついてしまいます
カウンセリングでは、丁寧に相談者の恐怖や怖さを共有しながら、相談者の想いに理解を深めていきます。
また、不安感情を恐怖と強く結びつけてしまっている認知面を意識しながら、不安感情の低い行動に注目しながら、
世の中には不安感情に繋がる行動ばかりではないこと
弱い不安感情であれば、乗り越えられるものがあるかもしれないこと
不安感情にはピークがあり、時間と共に弱まっていくこと
など、を心理士とともに話し合いながら、実体験と成功体験を集めていくことを目指していきます。
これらの一連の行動を認知行動療法として扱われることが多いですが、実際には相談者のペースと状況に合わせ、認知行動療法だけの手法にこだわらず、過去のトラウマを癒す心理面への関わりなどを併用しながら、一緒に取り組んでいくことも多いです。
さいごに
不安感情と認知面について紹介をしました。そして、記事の後半では認知行動療法についても紹介をさせていただきました。特に認知行動療法は心理療法の中でもとても有名な手法となりますが、実際には手法にこだわりすぎず、相談者の背景や環境に応じて、心理面に多角的に関わりながら、カウンセラーと一緒に心理カウンセリングに取り組むことが多いです。
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監修者
カウンセリングルームここまり医師
医師としてのメンタル診療やメンタルヘルスに関する視点だけではなく、様々な人たちの日々の悩みなどにも注目して記事の記載や監修を行っています。カウンセリングルームここまりは臨床心理士と公認心理師の所属する名古屋市の金山と名古屋駅のカウンセリングルームです。
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