コミュニケーションの得意と苦手について

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2023.04.03

コミュニケーションの得意と苦手について

コミュニケーションの意味とは

コミュニケーションという言葉は日常に溢れていて、耳にしない日はないほどです。そして、私たちはコミュニケーションを避けて通ることはできない世界で生きています。では、コミュニケーションの正しい意味を我々はきちんと理解した上で使っているのでしょうか?

コミュニケーションとは・・・

「社会生活を営む人間の間に行われる知覚・感情・思考の伝達。 言語・文字・その他視覚・聴覚に訴える各種のものを媒介とする」

と広辞苑では定義されています。

つまりは言葉だけではなく、そのほか五感に訴えるものも含めて、相手に何か伝えようとすることがコミュニケーションに含まれるのです。

『言語的』『非言語的』コミュニケーションの違いとは

ご存じの方は多いと思いますが、コミュニケーションは「言語的コミュニケーション」と「非言語的コミュニケーション」の二種類に分けることができます。「言語的コミュニケーション」とは「言葉によるコミュニケーション」、「非言語的コミュニケーション」とは「ジェスチャーや動作など言葉以外のものによるコミュニケーション」です。

私たちは日常生活の多くの場面で言語的・非言語的コミュニケーションを使用しており、それによって人間関係を成立させています。

コミュニケーションの得意と苦手

精神科・心療内科で仕事をしていると、「コミュニケーションが苦手です」と言われる方は本当にたくさん出会います。コミュニケーションが苦手であるがゆえに、学校生活や仕事が苦痛になってしまい、さまざまな支障をきたしていることも多々あります。

コミュニケーション不良が大きな認識のズレに

コミュニケーション不良によって人間関係にも齟齬が生じ、最初はちょっとしたすれ違いだったはずのことが大きな認識のずれになり、最終的には修復が難しくなってしまう、ということも少なくありません。コミュニケーションがうまく取れない、ということは双方にとって不利益を生じさせることが本当にたくさんあるのです。

一方でコミュニケーションが得意な方は、良好な人間関係を築ける方が多いです。自分のことをうまく伝えることができ、自然な「自己開示」をすることができます。また、相手からのメッセージに対しても言葉や表情、相槌などさまざまなフィードバックを適切にすることができ、自然と関係性が構築されていくのです。

コミュニケーションが悩みの種になることは多い

しかし、普段自然とやっているコミュニケーションもこうしてみてみると多くの要素が複雑に絡み合っており、高度なスキルが必要なものだということがわかります。コミュニケーションが得意、という方は様々な要素を必要に応じて適宜取り入れ、コミュニケーションをとることができます。しかし、苦手な方にとっては一つ一つがとても難しくどうしたらいいかが分からなくなってしまうことも多いようです。

カウンセリングでの取り組みについて紹介

カウンセリングの場では上手に話をしようとしなくても大丈夫

実際にカウンセリングなどでも「相手の言葉に対して何と返事をしたら良いのかがわからない」「相手の表情を読むことが苦手」「感情を汲み取ることが苦手」「言いたいことは頭の中にあるのに、いざとなると言葉が出てこない」などと話される方は多くおられます。

このような場合は、まずは具体的に困った場面について話をしてもらいます。無論、もともとコミュニケーションが苦手な方なので、その状況を説明することに苦労されることも多々あるため、心理士もできるだけ具体的な質問を投げかけるようにします。いつ、どこで、だれと、何についての話を・・・・などなど、できるだけその状況を共有できるように確認し、どの段階で困っているのか、うまくいかないと感じているのかということを話してもらいます。

そうすることで漠然と「苦手」と感じていることが、どのように苦手なのか、どういうことに困っているのか、ということが相談者さん自身にも理解してもらえます。

困りごとを具体的に把握することは大切

どういったカウンセリングにも言えることですが、相談者さんの困っていることを具体的に把握するということが非常に大事です。コミュニケーションについて取り扱う場合は、もともと相談者さんにはコミュニケーションの苦手さがある、という前提を忘れずにできるだけ丁寧に聴きとりを行います。相談者さんの言葉だけではなく、表情、体のこわばりなどさまざまなところにアンテナを張り言語的・非言語的なメッセージをできるだけ逃さないようにします。また「カウンセリングの中でご自身がおっしゃったことが伝わっていないと感じたり、違う風に伝わっていると感じたりしたらいつでもどのタイミングでもいいので教えてください」とお願いすることもあります。

どんなところにコミュニケーションの不具合を感じたのか

日常生活の中では、コミュニケーションがあふれていて避けることのほうが難しいです。言葉でもそれ以外でもあらゆるところからメッセージを受け取り、私たちもメッセージを発信しています。その日常のコミュニケーションで苦しんでいる方は少なからずいらっしゃいます。カウンセリングでは、コミュニケーションのどういうところに不具合を感じておられ、そこに対してどういう対処の可能性があるのか、相談者さん自身のできることを探していきます。

「話す」ことは苦手だけど「書く」ことはできる、話す前に緊張しすぎてしまうから話し始める前に深呼吸をして落ち着かせる、などちょっとした工夫でコミュニケーションがとりやすくなることもあります。

さいごに

コミュニケーションに関する記載をいたしました。人間関係の悩みをカウンセリングで取り扱うなかでコミュニケーションに関して話をすることはとても多いです。

どこでコミュニケーションの不具合を感じたのか、そしてその不具合の様子はどういう可能性があるのか。状況や様子をカウンセラーと共に共有しながら進めていきます。

カウンセリングでは、コミュニケーションが苦手な人を得意にするということはなかなか難しいかもしれませんが、コミュニケーションに対する苦痛を少しでも軽減させるお手伝いをしていきます。

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監修者

カウンセリングルームここまり医師

カウンセリングルームここまりの精神科医師と公認心理師・臨床心理士による記事記載と投稿。

医師としてのメンタル診療やメンタルヘルスに関する視点だけではなく、様々な人たちの日々の悩みなどにも注目して記事の記載や監修を行っています。カウンセリングルームここまりは臨床心理士と公認心理師の所属する名古屋市の金山と名古屋駅のカウンセリングルームです。

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