自分ルールについて『相手と合わないと思ってしまう』カウンセリング編

友人関係

2023.03.27

自分ルールについて『相手と合わないと思ってしまう』カウンセリング編

自分ルールが強くて、相手と合わないと思うことが多くなってしまう

自分ルールは誰しもが持つものではありますが、その自分ルールが柔軟性に欠けると人間関係を築く上で支障が出てしまうことがあります。

また、自分ルールとは本人すら気が付かないことも多く、相手への変化を知らずに求めてしまうことや、自分ルールに合わせられない相手に対して、「自分に合わない人」と決めつけて人間関係を見切ってしまう事も実は多くあるのです。

自分ルールの影響で生んでしまう、人間関係の変化に気づき、その都度修正していける力というのが、とても大切です。

↓↓自分ルールが強いために、相手と付き合っても自分と合わないと感じてしまう方についての記事にもついは以下にて記載をしております

カウンセリングで見直せる面もある

ここでは、自分ルールに関して、ご自身がどのように対応をしたら良いのか、人間関係のぎくしゃくのタイミングに応じて、カウンセリングではどのように対応をするのかという点について記載をしております。

カウンセリングで大切にすることとは

結論から言ってしまうと、自分ルールが与える、周囲への影響や人間関係の変化に気が付くかどうか、自分ルールを軟化させるタイミングを意識できるかどうかという点は非常に重要です。

ご自身で気づける場合には、友だちなど身近な人に相談するなどして乗り越えていくことも多く、カウンセリングなどを必要としない方も多いと思います。しかし、そのような機会が少ない方や、修正していく力が弱くなってしまっている位に人間関係がぎくしゃくしてしまっている場合にはカウンセリングが有効になることも多いのです。

また、職場のような人間関係が希薄な環境や、一方でプライベートなど閉鎖的すぎてなかなか周囲の目が入りにくい面での出来事は、ご友人との相談でもなかなかうまく共有がしづらくカウンセリングが適切であることも多いです。

カウンセリングでは段階的、かつ個々に応じて

カウンセリングの場ではいくつかの段階で話し合う可能性があります。

ここでは、

関係がぎくしゃくした「初期」の段階で、自分ルールに気が付く場合

関係がぎくしゃくした「別れる間際」の段階で、自分ルールに気が付く場合

別れ間際・あるいは決定的になってしまっているが、自分ルールの自覚がない場合

について記載をしております。

【シーン①】関係がぎくしゃくした「初期」の段階で、自分ルールに気が付く場合

まず、関係がぎくしゃくした割と「初期の段階」で、自分ルールの存在と影響に気づく場合があります。

このタイミングで気づける方は比較的対応能力が早い段階にあり、相手の感情にも敏感で相手の変化を察知していく力があります。また、そのような方の印象として、2人の関係性についても客観的に振り返ることができ、自身の言動についても内省することができる方が比較的多い印象があります。

そのため、カウンセリングの場では自分ルールにちゃんと気づいたことが、問題解決の一歩であることや、自分が変わろうと取り組む第一歩である事を共有し、カウンセラーからもしっかりと承認した上で、なぜ自分ルールを相手に押し付けてしまったのか(多くの場合は背景に不安のコントロールが弱いということもあります)ということを検討していきます。

その結果、自分のどういったところが相手を苦しめてしまったのかということについてカウンセラーと共に丁寧に考え、行動を修正していくプロセスに一緒に取り組んでいきます。

【シーン②】関係がぎくしゃくした「別れる間際」の段階で、自分ルールに気が付く場合

関係がぎくしゃくして別れる間際、あるいは人間関係に見切りをつけてしまう間際の状況に陥っている場合は、不安や焦り・不満などを含めた感情の大きな変動を伴っていることが多いです。

不安感情や焦り、相手や自分に対する不満は時として、自己を見失いがちになってしまい、冷静な行動をできず相手を更に傷つけてしまう事もあるものです。カウンセラーと共に、感情の大きな変動を客観視する事を目標に、別れを目前にしての自分の気持ちとこれまでのお互い関係の振り返りを丁寧に行っていきます

自分に対する不満や反省が大きくなって自責的になっている場合

特に自責的になっている場合、自分の非を認めることができていること、またそれは自分が変わろうとしていて生じる感情であることをカウンセラーと確認しつつ、どうして相手を追い詰めるまでになってしまったのか、これまでの途中経過の中で「もしかして自分ルールを押し付けてしまっていたのではないか」と感じることは自分にあったのかなどについて検討して、行動の改善点を見直していきます

自身もつらく、相手に対する不満が大きくなってしまっている場合

自分ルールや自分の事を分かってくれないもどかしさや、いら立ちも対手に対してどうしても生じてしまうために、相手に対する不満も徐々に大きくなっており、知らないうちに他責的になってしまっている場合もあると思います。

まずはご本人さんの感情をしっかりと把握するために、相手に対しての気持ちをカウンセラーが聞きます。おそらく不満や怒りをためていることが予想されるので、カウンセラーとの対話を通して気持ちと感情を整理し、できるだけ2人の関係性を客観的に見られるように努めていきます。怒りや不満は極端な判断を促したり、自己を見失ってしまうきっかけとなるので、まずは自己を見直すためのマネジメントは非常に大切となります。

客観的に自己を見すえられることが増えてきたタイミングで、徐々に自分と相手の言動について振り返る機会を設けていきます。あなたは○○と思ったということだけど、相手はどうだったのだろう?などといった振り返りを繰り返していくのです。

自己の理解はとても大切

その後は振り返りや反省とともに今後どういう点について気を付けていくのか、自分ルールを押し付けてしまっているかもしれない時はどんな時なのかを把握し自分の傾向について理解を深めることを目的にします。

そして、相手に対しての気持ちを整理し、近々訪れる別れに対しての心の準備、更には自身の変化をきっかけに相手との関係修復や再構築を目指してみる場合もあります。

【シーン③】別れ間際・あるいは決定的になってしまっているが、自分ルールの自覚がない場合

別れが決定出来であるタイミングであるが、相手の傷つきポイントや相手からの非難や別れの理由がしっくりこず、不安や憂鬱な気持ちが強くなってしまい相談に来られる方はいらっしゃいます。自覚がなかった場合は、相手がどんな人?自身の性格は?交際中の良かったこと、良くなかったことなど2人のことについて聞いていき、カウンセラーからも2人の関係性について見立てられるところまで情報を共有することをまずは取り組みます。

その情報のやり取りの中で、2人の関係の中で問題になっているであろう側面をカウンセラーと共に確認し、もしその中で自分ルールを押し付けてきたところが影響を及ぼしていそうであるとするなら、そのような状況について本人とカウンセラーで更に深く共有していきます。そこから自身の言動や相手の反応について振り返っていけるように促していくのです。

カウンセリングで整理しつつ、相手と自分とのバランスについて考えてみる

自分ルールで困っている方への、カウンセリングのプロセスとは

いずれの場合もまずは自分自身の傾向を理解してもらう、ということが最初の目標になるのではと思います。その次に自分ルールをどこまでは相手に求めてどこからは自分を抑えるのか、といった折り合いをつけられるバランスの取れた妥協点を見つけていくのです。ここではカウンセラーから妥協点を提示するより、カウンセリング内で2人の関係性を振り返る中で、本人とカウンセラーで一緒に見つけていくというスタンスも、一番本人としても納得や理解につながりやすいです。

さいごに

そして可能であれば、見つけた妥協点を実生活で実践しその手応えをカウンセラーと確認し合う事も非常に大切です。良かったところはそのまま、イマイチであれば一緒に修正する、ということを繰り返し本人なりの人との付き合い方マニュアルのようなものを蓄積し、成功体験を重ねていく事は、自分ルールで大切にする部分と妥協をしていく部分とで今後も上手に付き合っていくために非常に大切です。

カテゴリ:

友人関係

監修者

カウンセリングルームここまり医師

カウンセリングルームここまりの精神科医師と公認心理師・臨床心理士による記事記載と投稿。

医師としてのメンタル診療やメンタルヘルスに関する視点だけではなく、様々な人たちの日々の悩みなどにも注目して記事の記載や監修を行っています。カウンセリングルームここまりは臨床心理士と公認心理師の所属する名古屋市の金山と名古屋駅のカウンセリングルームです。

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