『高校・大学受験』カウンセリング相談の傾向とは

家庭 子育て 学校

2023.04.08

『高校・大学受験』カウンセリング相談の傾向とは

「高校・大学受験」における相談とは

実のところ、高校受験や大学受験がきっかけで親が悩む、抑うつ状態を呈するということは少ないように思います。高校受験や大学受験を控える頃には自分の意思で将来を考え、進路を考えることができるようになっている方がほとんどです。また子供自身も、自分の成績、能力についてもわかってきますし、わかっていなくても身の丈に合った進路を選ばざるを得ない状況になります。ある意味、現実に直面しなければいけない機会が増えますので本人主体で進んでいくことが多いという印象です。

高校・大学の多様性に戸惑う親は多い

しかし、しばしば子供の選択する進路において親子と衝突することは多い

もともとの学校生活に不安がある(不登校・対人関係のトラブルなど)は、親は受験そのものを心配するというよりは、高校の場合は普通高校(全日制)に進めるのか、定時制や通信制などに進むのか、大学受験の場合はそもそも卒業できるのか、卒業後の将来像を親がイメージしづらいということで不安になるようです。

【親子のギャップ】新設の学部。通信制の学校。全日制でない学校など

現在は通信制高校という選択肢が一般的になりつつあり、子どもの方が全日制にこだわらない印象です。親の方が全日制にこだわる傾向があり、特に愛知県では公立高校優性という思考がまだ残っているため、子どもの思いとの間にギャップが生まれることがあるようです。

また、新設の各部や学科が増え、親の持つ『就学・就職の経験』ではイメージしきれないことがあり、子供の将来像がイメージできずに、親が過度に心配してしまう原因になってしまっていることも多い気がします。

学校の説明会も親を対象として説明会は増えてきているが

学校側もそのような親の心配を察知して、親を対象とした説明会や交流会を設定することも多くなっていますが、親子の認識のギャップを埋め切れずに、進路や受験に関して衝突をしてしまうことも少なくありません。

カウンセリングでも相談を受けることは多くなってきている

カウンセリングでも、子供の考えていることやイメージに親が追い付けずに戸惑ってしまうと、ついつい自分の経験をぶつけてしまうことも少なくなく、その結果、親子間の衝突や、会話の減少により、親子関係がぎくしゃくしたものになって悩んで相談をされる方はいらっしゃいます。カウンセリングを通して、カウンセラーと対話を重ねることで、親御さんとしての心配を受け止めつつ、子供の立場や成長を見据えた親子の関わりを整理しながら、コミュニケーション、親子間の適切な距離感やコミュニケーションを目指していくこともあります。

さいごに

今回は、高校受験や大学受験に関するカウンセリングや心理面を紹介いたしました。

高校受験や大学受験になってくると、本人主体で進んでいくことが多く、成績といった受験そのものに対する親の悩みや抑うつは少なくなってきます。しかし、一方で時代の変化とともに、新しい学科や、通信制の拡充、就学スタイルの多様化に伴い、親が将来像をイメージできずに、ついつい親の立場でのアドバイスが子供との衝突を招いてしまうことも少なくありません。

心理面を紹介したこの記事とカウンセリングでの取り組みによって、少しでも親子の適切な距離感と理解に繋がればと願っております。

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監修者

カウンセリングルームここまり医師

カウンセリングルームここまりの精神科医師と公認心理師・臨床心理士による記事記載と投稿。

医師としてのメンタル診療やメンタルヘルスに関する視点だけではなく、様々な人たちの日々の悩みなどにも注目して記事の記載や監修を行っています。カウンセリングルームここまりは臨床心理士と公認心理師の所属する名古屋市の金山と名古屋駅のカウンセリングルームです。

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