友人関係
2023.03.26
二次元の大切な意味について。現実世界の理不尽さ。について『その壱』
「二次元の大切な意味」について
最近はサブカルチャーの普及によって大人がアニメや漫画の世界に没頭する、ということは珍しいことではなく、趣味として公言する人も増えてきています。
そして、そのようなマンガやアニメの世界が趣味を超えて、人とのつながりや、その人の人生を彩り、そのコミュニティーや地域の文化としても定着しつつあります。
また時に、「現実世界での理不尽さ」や「現実生活での人間関係」に悩み、「現実世界」でつらく感じ過ごしている人の中で、「二次元」の世界が趣味だけではなく、「自分にとって大切な意味」を持っている方も一定数いらっしゃいます。
カウンセリング内でもお話いただくことが非常に増えました
現実世界での「困りごと」「悩み事」をカウンセリングで扱い、セラピーを進めていく途中で、その方の「二次元」に対する【意味】や【大切な想い】について改めて分かり、カウンセラーと一緒に触れていくことも最近は多くなってきております。
今回は、「二次元の大切な意味」について、記載をさせていただいております。
「安心感」と「あなたのペース」を乱しすぎない世界でもある
アニメや漫画の世界では「設定」や「展開」が重視されていることが多く、それに応じた、ある一定の裏切りすぎないキャラクターの性格や言動と、そこに予想外の「展開」や「環境」が加わることで生じるストーリーの「意外性」と「共感」が合わさることで、しだいに二次元の世界と、我々の感情をぐっと近づけ「魅了する一体感」が生まれやすくなります。
また、ストーリーが展開され、なんらかの結末が待っているといった表現だけではなく、他の登場人物や、展開の見えづらい背景も描かれることで、その世界を綺麗に俯瞰しやすく、「安心感」と「ワクワク感」にもつながります。
そのような「ワクワク感」ですらも、どのようなストリーに対してなのか、あくまでもあなたの感じたまま選択して良いという点も大きな特徴だと思います。
「設定」や「展開」を裏切りすぎない「安心感」と「共感」がある
つまり、二次元では、
「自分の好きなペースで進んで楽しめる世界」
「見るも見ないも決められる二次元の世界」
「自分の理想や想いを表現してくれる世界や人間関係の世界を、自分で選択して楽しめる」
といった点が「安心した世界」「二次元の魅力」として多くの人たちを引き付ける側面なのかもしれません。
現実世界での「思いもかけない事態」や「納得できないこと」
現実の世界では、性格・展開を重視した言動ばかりとはいかず、ときに理不尽な言動や裏切りの行為と感じてしまう場面もあるかもしれません。また思わぬ事態に翻弄されてしまうことも少なくありません。
伏線回収がなされないリアルな現実に嫌気がさしてしまうことも
リアルな世界でも理不尽なことがいくつも起こります。
「二次元は裏切らない」という声も少なくないように、二次元では「理不尽さ」に直面しても、ストーリーの後半で「伏線回収」できたり「わだかまりが解ける」きっかけ設けられていることが多いですが、リアルな現実では「理不尽さ」に対する背景や原因への「回収」はなされず、ただ現実を受け止めることを強いられてしまうこともあります。
分かりにくい相手の表現に、疲れてしまうことも
現実世界では、相手が意味することは一体何なのか「判断に迷う」ことは実際によくあると思います。しかし、二次元では登場人物の表情や表現が、「比較的に分かりやすく」ときには「絶妙な曖昧さ」で表現されているので、受け手の抱く感情は作者の意図通りに誘導されていることも多い傾向にあると感じます。このように、「疑う」ことなく「感じたまま」受け入れられる安心した世界が、二次元にはあると思います。
傷つく体験を重ねて、敏感になりやすくなってしまうことも
相手が何を考えているのかがわからないことも多々ありますし、人はいつか裏切るのではないか、などこれまでに傷つく体験を幾度となく重ねる方は少なくありません。
「疑う」ことなく「感じたまま」で受け入れられる二次元の世界と、リアル現実とのギャップに傷つき、リアル現実に対して臆病になって自分の中で閉じこもってしまうこともあります。
特に、「現実世界での人間関係が怖い」とカウンセリングで、おっしゃられる方の中には、「現実世界での相手の想いもよらない対応」や「自分への傷つき」にとても敏感になってしまっている傾向があります。
さいごに
もし、現実世界でのギャップに強く悩んでしまいすぎた時
二次元の持つ影響は文化や人との繋がりをもたらし、人生において大きな彩を与えることもあります。その一方で「現実世界での人間関係が怖い・苦手」と感じられている方の中に、現実世界での理不尽さやギャップに悩まれている方も一定数いらっしゃります。
もしそのようなギャップが大きくなりすぎて、現実での人間関係の悩みを抱えたり、現実世界での生活に大きな隔たりを感じてしまう時、というカウンセラーの視点にて次回引き続いて記載をいたしております。
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監修者
カウンセリングルームここまり医師
医師としてのメンタル診療やメンタルヘルスに関する視点だけではなく、様々な人たちの日々の悩みなどにも注目して記事の記載や監修を行っています。カウンセリングルームここまりは臨床心理士と公認心理師の所属する名古屋市の金山と名古屋駅のカウンセリングルームです。
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