『不倫』に関するカウンセリングや心理療法について

家庭 恋愛 子育て 仕事 心理

2023.04.03

『不倫』に関するカウンセリングや心理療法について

不倫報道に現れているもの

不倫のドラマやメディア報道

昨今、メディアでこの言葉を聞く日の方が少ないのではないかというほど『不倫』という言葉は広く一般的に使われるようになりました。特に数年前からは有名人の不倫騒動は芸能ニュースの鉄板ネタのようになり、こぞってマスコミは報道し世間やネットではその話題で盛り上がり当事者を批判する・・・・という現象が幾度となく見受けられるようになりました。また不倫をテーマにしたドラマが流行するなど一種のブームも巻き起こりました。

有名人の不倫報道後にあるもの

一方、不倫を報道された当事者はプライベートを必要以上に追いかけられ、仕事を失い、家族や親戚も好奇の目に晒されることになります。いまや芸能人であれば不倫が公になると仕事を自粛せざるを得ない空気になっており、数か月に復帰しても一度出た不倫報道はなかったことにならず後々にも影響を及ぼすことになります。そして、そこで失った信用を取り戻すには想像を絶するような労力と時間を要すると予想されます。

分かってはいるけれど…

このような不倫の代償は有名人だけのものなのか・・・というと決してそうではありません。我々一般人であっても不倫は多くのものを失います。家庭、仕事、友人、お金・・・・・何よりも信用を失うことになり、決して有名人でなくとも代償は計り知れないものなのです。

それは分かっているのに。なぜここまでのリスクを冒してまで人は不倫に走ってしまうのでしょうか?

ここでは、心理面に触れカウンセリングや心理療法でどのように取り上げていくのかについて記載しています

友人へも明かしづらい。不倫をする理由

人には明かせない秘密はある

人はある年齢になると「秘密」をもつようになります。親に、きょうだいに、友だちに、先生に・・・・いろいろな人との人間関係の中で全ての人に全てのことを話すのではなく、「親には内緒」「友だちには内緒」など誰かには話さない部分が生まれるようになります。そしてその「秘密」の世界が自分にとっては大切で心を満たしてくれるものの一つにもなっていきます。不倫はある意味では究極の人には言えない秘密です。その秘密の世界で自分だけを見てくれる人がいて、心も身体も満たされていく・・・・という他には代えがたいものがあるのではないでしょうか。

責任や役割、あるべき姿を求められることも

また、家庭では「夫」「妻」であり「お父さん」「お母さん」、職場では一社会人としてそれぞれの役割を求められます。常に良識ある一人の人間としてそれぞれの役割を全うする必要があります。

しかし、本当の自分はもっと自分らしく『輝いて』いた

不倫関係の中ではその役割というものから離れ、一人の「男」と「女」として学生時代、独身時代のようなドキドキするような恋愛、駆け引きをすることができる、などということも魅力の一つではないかと思います。治療場面で出会った人の中に「不倫相手といるときは特別な自分でいられた」「不倫相手といるときの自分は輝いていた」と話していた方がいらっしゃいました。家庭や職場を離れ限られた時間の中で自分を「ただ一人の男性(女性)」として扱ってくれる不倫関係は、ある意味では「輝いた」「特別」な時間なのかもしれません。

不倫と心理療法

不倫で相談されるタイミングの傾向とは

カウンセラーたちの経験としてですが、不倫真っ最中の人がカウンセリングに来る、というケースよりも不倫関係の終盤あるいは不倫関係解消後に別れの傷が癒えないまま抑うつ状態に陥っている人が来られるケースの方が多いように思います。

また、不倫相手との関係がうまくいかなくなったときにひどい落ち込みを経験され受診に至るということもあるようです。どちらとも不倫で満たされて心のバランスを保っていたものの、不倫相手との関係を解消したり関係がうまくいかなくなったことでバランスが崩れ精神的にも不調をきたすことになったという部分では共通しているように思います。

収入や社会的地位ではなく、『危なっかしさ』と『子供っぽさ』

また、どちらのパターンも共通して「自分」というものが未熟で地に足がついていない印象を受けることが多いです。社会人としてしっかり働いていて自立できるだけの収入があり、自身にも夫や子どもがいるにも関わらずどことなく「危なっかしさ」「子どもっぽさ」が抜けていない印象があります。

それが魅力的な一面でもある

これらの「危なっかしさ」「子供っぽさ」は時に、周囲の人たちにとって「守ってあげたい存在」「社会的なギャップと相まって魅力的な存在」として、判断されることがあり、異性としての意識につながることがあります。

また逆に、「子供っぽさ」ゆえに、もっと自分に注目して欲しい・大切にしてほしいという気持ちが年齢を経ても昇華できずにいることがあります。

家庭や職場の立場を傷つけるつもりはなく、自分の心を充足させる満足感

自分に注目して欲しい、自分を大切にして欲しい、と思いながらも普段の生活の中では社会的な役割、家庭での役割を果たさざるを得えません。そのため、ついつい気持ちを満たしてくれる不倫関係に走り、一時的にでも「自分を一番大事にしてもらえる」時間を体験して心を充足させることで家庭や職場でまた頑張る・・・ということを繰り返している方も少なくありません。

カウンセリング相談を踏み出すことへの一歩とは

カウンセリングでは、まず不倫という人には相談しがたいことを経験しながらカウンセリング相談や治療の場に来ていただいたことは、相談者が行き詰まった想いに向き合う第一歩となり得ます。カウンセラーもまた、カウンセリングの場に来てくれたことを労い承認します。

非難されるのでは…という不安は解消できるように努める

もしかするとカウンセリングなど治療の場でも非難されるのではないかという不安を抱いて来られる方もいらっしゃるため、できるだけ初期の段階にその不安を解消できるように心がけます。

カウンセリングでは不倫に対する非難を含め、他者の一方的な意見を押し付ける場ではないからです。

行き詰まり、困り度が高まっている事へのヒアリングはとても大事なこと

また、心理士としてはカウンセリングを受けようと予約し、来談したということはこれまでの自分のパターン(即自的に満たされるものに走る)ということは望ましい方法ではないという問題意識をもっている前提があると考えたうえで本人の困り感や来談に至った経緯について聴取します。

期待や希望が満たされるモノ・方法は何なのか

そして、ご本人の希望や今後期待する効果について確認しつつ、現実的に希望が満たされるものは何なのか、不倫というハイリスクローリターンな方法ではなく、より適切な方法で自分自身の心を満たしていく方法を探るとともに、これまではなぜそれができなかったのかという問題点について整理し共有していきます。こうして自分自身をゆっくり振り返ることによって、同じ方法を繰り返さず、同じパターンに陥ることを回避することを目指します。

さいごに

カウンセリングや心理療法を重ねていくうちに、相談者自身が自分の立場や、自分の望みを客観的に見つめることができるようになることも多くなります。その中で、なぜ行き詰まっていたのか、そしてこの行き詰まりは不倫を継続する事で解消されるものなのか改めて考えるきっかけにもなります。

心理療法を経ながら、たくさんの視点を増やせることは大切です。不倫による良い面だけではなく、多角的な面もしっかり考えてみることは、自分にとって、本当は何が適切なのか、短期的な満足感だけではない視点で、じっくりを考え選択する機会にもなるからです。カウンセリングでも心の問題と現実的な問題と両面を取り扱い、より適切な適応方法を模索していきます。

職場での不倫関係。安心感が葛藤へ変わり悩んだとき(友人や家族に相談しづらい)

カテゴリ:

家庭 恋愛 子育て 仕事 心理

監修者

カウンセリングルームここまり医師

カウンセリングルームここまりの精神科医師と公認心理師・臨床心理士による記事記載と投稿。

医師としてのメンタル診療やメンタルヘルスに関する視点だけではなく、様々な人たちの日々の悩みなどにも注目して記事の記載や監修を行っています。カウンセリングルームここまりは臨床心理士と公認心理師の所属する名古屋市の金山と名古屋駅のカウンセリングルームです。

※只今、オンラインカウンセリングの新規受け入れを休止いたしております。相談歴がある方は担当カウンセラー宛に当ルームへご連絡ください。

このサイトは医療機関である心療内科・精神科のひだまりこころクリニックによる指導・監修がなされています。