家庭 子育て
2023.01.26
夫婦の不満について。相談したい!!【カウンセリングってどんな感じで進めるの?】
INDEX
夫婦は時に不満を感じやすく、その不満は膨らみやすいという特徴も
夫婦は人生のパートナーであるために、お互いにどうしても不満を感じやすく、そしてその不満は膨らみやすいという特徴にあります
「家のことは何もしないし無関心」「何度、言っても聞いてくれない」「ありがとうがない」等、本当にいろいろであり、様々だと思います。
夫婦の不満について『カウンセリングではどんなことをするのですか?』…と、もし聞かれたら
『夫婦の不満について』カウンセリングで取り組むならどんな感じで進める?カウンセリングでどんな事するのですか?と、『もし聞かれたら心理士の立場としてならどう答えるだろうか』という視点で、分かりやすい表現に努め、ご紹介をさせていただきます。
カウンセリングで大切なこと。対話を通して一緒に取り組むことで、気づけること
不満といっても実は怒りやイライラといった感情、更には期待に応えてくれなかったというがっかりも重なってしまっていることが多いのです。「夫への不満」はどこの部分か、「夫への期待」はどこか。実は不満と言っても、とっても奥が深いものなのです。
カウンセリングでも大切なのは、まず「夫への不満」と「夫への期待」を聞き、その差異について確認することです。
来談当初は不満が蓄積して大きくなりすぎて、夫に対してイライラしてしまう、ということも多いので妻自身がどういったところで具体的に、不満をもち何を期待しているのかということを詳細に聞きカウンセラーと本人とで整理していきます。
「夫への不満」なのか。それとも「夫への期待」なのか。カウンセラーと一緒に整理してみよう
夫への不満には、イライラや怒り、更には夫への期待など、いろいろな要素が含まれていることがあります。ですので、その要素をひも解くことを目指します。
具体的には・・・・
- 夫のどんな言動に
- 夫のどんな態度に
- 本当はどうして欲しいのか
- 夫に何を期待しているのか
- 夫にその不満や期待を伝えたことがあるのか
- もし、伝えていたとしたら夫はどんな反応をしたか
などです。
【カウンセリングとは】ときに、不満を解消することだけが、目標(ゴール)じゃない
夫婦の不満の解決は簡単な事じゃない。時には、不満を解消することを最終ゴールとしないカウンセリングもある
もし、不満の内容を伝えていて、夫が受け入れていればそこで解決となるかもしれませんが、受け入れてもらえなかった場合はさらに妻の不満が蓄積していきます。
不満を解消することを目標(ゴール)にしてしまうと、変化がないことや思う様にいかないことに対する不満が継続的に大きくなってしまう傾向があります。
【カウンセリングとは】心のバランスを大切にすることも
不満に対する共感が、周りからどれだけ得られるのかという点もとっても大切
相手がある以上、なかなかきれいにスッキリ不満が解決しないこともあるものです。そして、その頑張りに対して疲労感が募ったりイライラが大きくなってしまうことがあるかもしれません。
そんな時、不満に対する共感が、周りからどれだけ得られるかという点も、“心のバランスには大切”です
不満に対する共感が周りから得られることで、肩の荷が少し降りることも
多くの場合、妻は「共感してもらう」が不足していることが多いため、カウンセリングでは共感的に不満や期待について聴いていきます。
しかし、「私の方がもっと不満が大きい」といった不幸自慢には要注意
しかし特に注意なのは、「もっと私の方が、不満が大きい」「ほかの人はもっと頑張っている」などといった、足のひっぱり合いや不満感情の否定は、「やっぱり誰にもわかってもらえないんだ」といったように、自分の抱えている不満やネガティブな感情に対する孤立感を大きくしてしまい、さらに逆効果となることが多いので特に注意が必要です。
あなたの言いたいことをまずはしっかりと言ってみて
カウンセラーはただ話を聞くだけではありません。しかし相談者の心のバランスや負担について配慮をしながら
- あなたも頑張っていますよね
- その頑張りがご主人には伝わっていないように感じられてしまうのかもしれませんね
- 少しご主人に手伝ってもらえると助かりますよね
など、労いつつ、本人の言いたいことをまずは話してもらいます。言いたいことを言って、カウンセラーや友人であっても、相手に受け入れてもらえることで肩の荷が少し降りて、満足してくれる方もカウンセリングの場では少なくありません。
不満の対象である、期待は「現実的に叶えることができる期待」なのか判断する
不満の整理を行うと同時に、現実と期待の再確認を行う事は大変重要です。
つまりは現実と期待の差異について確認し、その期待は叶えてもらえる可能性があるのかどうかについて検討するのです。
子供の成長と異なり、大人の成長というのは難しく大変時間がかかることもあるのです・・・・
【カウンセリングで一緒に考える】「期待」や「こうしてほしいという要望」をどのように伝えるのか
受け入れてもらえる可能性が高い「期待」については、夫にどのように伝えるのが良いか、言い方やタイミングなどを検討します。夫の機嫌の良いとき、どういう言い方なら押し付けにならないか、など家庭に持ち帰る前の作戦会議のような話し合いをします。そして実践してもらい、上手くいったこと・いかなかったことを報告してもらい、上手くいかなかったことについてはその原因と方法の修正を検討する、ということを繰り返します。
カウンセリングの場では一緒に再検討をすることも
例えばタイミングが悪かった、夫の苦手なことを頼んでしまった、言い方が悪かったかもしれない・・・・など原因をあげてもらい、再検討するのです。
もしも夫に対して過度な期待を押し付けてしまって失敗した、ということであれば、夫はどの程度なら受け入れてくれるのか、ということについて考えていきます。
【カウンセリングで一緒に考える】期待や不満以外の、夫の実績は何か?考えてみる
カウンセラーと一緒に考えることで、見えてくる側面も大切にする
並行して、実際に夫がしてくれていることについても確認していきます。不満が大きくなりすぎてしまうと、夫の当たり前の行動や、実績を考えてみることがなかなかできなくなってしまう事もあるからです。仕事をしてお金を稼いでくれている、休日は子どもの面倒をみてくれている、お風呂掃除をしてくれた・・・・など日常の中で夫がしてくれていることについて意識してもらい、夫の足りていないところばかりではなく、良い所や夫に感謝している部分について再確認し、期待するばかりではなく「不十分なところもあるけど、いいところもあるし、まぁいいか」くらいに、自分の中でネガティブな感情を、少し緩和して考えたり、思えるようになることを目指していきます。
【カウンセリングで目指してみる】実は不満の感情は、ポジティブな感情の共有を増やすことで軽減を図ることができる
女性は「不満」や「辛さ」などのネガティブな感情は、「うれしい」「楽しい」などのポジティブな感情の共有を増やすことで満たされることも多いといわれております。おいしい食事や、楽しい外出、好きな映画や、楽しいお買い物など、友人とのかかわりを増やすだけではなく、夫とのポジティブな感情の共有を増やすことは大きな効果があると考えられます。
男性はより具体的で現実的な話でないと最初は妻の提案に、何が言いたいのかがわからないことも多く、かみ合わないことも出てきます。ネガティブな感情だけではなく、こうして欲しい、こうしようといった取り組みや提案を具体的に提示してみるのも手です。
【カウンセリングで目指してみる】自分の中のネガティブな感情を、自分で少しづつ緩和して考えたりができるようになること
相手の変化を求めて解決するだけではない解決方法を目指していく
夫婦間でのネガティブな感情を緩和させる行為は、夫に「変化」を求めるだけではなく、周りからの不満の「共感」や、夫の「やってくれた事を意識する」をいった行為を重ねる、更には「ポジティブな感情の共有を増やす」ことで緩和することも可能なのです。
【カウンセラーと話すメリットとは】多くの考えや視点に気づける機会がある
家族とずっと一緒にいると、良くも悪くも価値観が固定化されていきます。そこで、家族以外の考えや意見に触れる機会を持つことも大切です。
自分と同じ考え方だけではなく、自分とは違う考え方の人たちもいるという気づきは時に自分の視点をより広域に広げてくれることがあります。
【カウンセラーと話すメリットとは】家族や友人とは違う、あなただけの相談ができる
カウンセリングでは、あなただけの相談ができます。
時として友達や両親など周辺の家族内で相談を行うと、「私もしんどかった」、「私だけではない」といった“別の愚痴大会”や“どっちが辛いのか”といった「比較論」、更には「忍耐論」に持ち込まれてしまう事も多いために、友人や周囲の親戚等での取り組みに、行き詰まってしまった時にはカウンセラーなどを頼ることも手ではあります。
さいごに
夫婦の不満について。カウンセリングならどうやって取り組むの?といったテーマで記載をしてみました。
不満というのは、時にイライラや怒り、期待が入り交じり、自分でもどうしたら良いのか分からない感情となってしまうことがあります。
そこで、カウンセラーとのやり取りとを踏まえて、不満を冷静に見つめ、どうやって対処ができるのか、そして何よりも相談者の心のバランスを大切にしながら取り組みながら、自分でネガティブな感情に少しづつ緩和して考えることができるようになることを目指していくのです。
カテゴリ:
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監修者
カウンセリングルームここまり医師
医師としてのメンタル診療やメンタルヘルスに関する視点だけではなく、様々な人たちの日々の悩みなどにも注目して記事の記載や監修を行っています。カウンセリングルームここまりは臨床心理士と公認心理師の所属する名古屋市の金山と名古屋駅のカウンセリングルームです。
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