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2023.06.20
うつ病にかかるとなぜ「無断欠勤」をしてしまいやすいの?症状との関連について
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うつ病の症状と無断欠勤の関連について
会社や学校で、それまで真面目に出社・登校していた人が、急に無断欠勤や無断欠席をするようになってしまった。ということはありませんか?
そして無断欠席や無断欠勤には、うつ病などのメンタルの不調が関連していることも少なくありません。
しかし、どうして真面目な人が、うつ病やメンタルの不調に伴い、無断欠勤や無断欠席を行ってしまうのでしょうか?
ここでは、心の不調や症状に関連した視点で紹介を行っております。
うつ病の症状について
うつ病の症状としては、憂鬱な気持ちが継続する、食事や睡眠に支障が出たり、焦りや集中力が低下し考えがまとまらないなどの症状があります。
また、一般的に多くの方が感じる、うつ病という病気のイメージと、連絡なしに突然休みになってしまう、無断欠席・無断欠勤という行動がなかなか結び付かず、周囲も困惑してしまうこともあるかもしれません。
なぜ、うつ病の症状が、無断欠席・無断欠勤に繋がってしまうのか
うつ病に関する不調①:不眠あるいは過眠傾向がある
うつ病の症状として、多くの方が不眠症状を呈する傾向があります。
布団に入ってもなかなか寝付けない(入眠困難)
途中で起きてしまう(中途覚醒)
長く眠れず明け方に起きてしまう(早朝覚醒)
ぐっすりと眠れない(熟眠困難)
などがあります。
早朝覚醒の症状だとしても、睡眠不足・不眠症状の為に、朝起きる時間に起きられないといった病状に伴う兆候もあります。
また非定型うつ病や新型うつ病と称される方に多い傾向として、不眠症状ではなく、過眠傾向がある方もいらっしゃいます。
うつ病に関する不調②:朝の倦怠感、体が鉛のように重い
うつ病に関する症状として、なかなか周囲に理解やイメージをしていただきにくい症状の一つとして、
朝の倦怠感、特に体が鉛のように重い症状が出やすいことが特徴でもあります。
この体が、鉛のように重たい症状ですが、ベッドから起き上がることができない位、そして朝の食事などもとれない位に重だるい症状であるという特徴があります。
朝の食事や整容も含め、出向や出勤に向けた準備ができないということは、無断欠席や無断欠勤に繋がってしまう特徴でもあります。
うつ病に関する不調③:気力が湧かない
気力が湧かない、といううつ病の特徴的な症状も、なかなか周囲に理解やイメージをしていただきにくい症状の一つかと思います。
気力が湧かないというのは、気分が乗らない、やる気がない、というイメージではなく、何かをしようとする、体の行動スイッチが入らないことを指しています。
つまり、上司へ連絡をする事、電話に出ることすら、行動のスイッチが入らない位、朝の気力が湧きづらいタイミングがあるのです。
電話に出ること、メール位…という気持ちを周囲は持ってしまうかもしれませんが、その行動すらスイッチが入らない状態が起きやすいのも、うつ病の特徴の一つかもしれません。
うつ病に関する、朝の特徴的な症状は日内変動もある
うつ病に関する、朝の特徴的な症状を紹介しました。そしてこれらの症状は、日内変動をすることも多く、お昼にかけて少しづつ改善したり、週末だけは少し改善を認めるなどの特徴を呈することがあります。
そのタイミングで、本人と連絡を取れることもあるかもしれませんが、また不調の状況に応じて、連絡の頻度にムラが起きてしまうことも少なくありません。
無断欠席や無断欠勤の前兆はあるのか?
無断欠席や無断欠勤の前兆としては、
朝の電車の乗り遅れ
腹痛や吐き気・頭痛などによる遅刻や欠席
勤務中の集中力の明らかな低下
会話・コミュニケーションがスッと理解できない、ついてこれなくなった
などの変化は兆候と言えるかもしれません。
もちろん前兆がない方もみえますが、もともと真面目だった人が、このような兆候で、仕事中や学校での様子に変化が現れた時には注意が必要と言えるかもしれません。
そして、これらの兆候は、昇進や移動などの環境の変化、人間関係、更には仕事上の何らかの事情などに伴い、出現している場合も少なくなく、早めのストレスケアやメンタルケアはとても重要です。
さいごに
うつ病の症状の特徴と、無断欠勤・無断欠席について解説をいたしました。
真面目な人が、急に前もった連絡などもなく、欠席や欠勤をしてしまった場合、うつ病に特徴的な朝の倦怠感や気力の低下が、このような行動と大きく関連していることがあります。
そして、これらの症状は、時に前兆があったり、また環境やストレスなどのタイミングとも関連していることがありますので、早めの兆候やメンタルケアへの配慮はとても重要に思います。
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監修者
カウンセリングルームここまり医師
医師としてのメンタル診療やメンタルヘルスに関する視点だけではなく、様々な人たちの日々の悩みなどにも注目して記事の記載や監修を行っています。カウンセリングルームここまりは臨床心理士と公認心理師の所属する名古屋市の金山と名古屋駅のカウンセリングルームです。
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