手を繰り返し洗ってしまう「不安感」や「強迫性障害」とは

心理 医学

2023.06.26

手を繰り返し洗ってしまう「不安感」や「強迫性障害」とは

手を繰り返し洗ってしまう時

手を繰りかえし洗ってしまうことには、様々な理由があると思います。

なかなか汚れが落ちない時

他人が触れたものや共用の設備に触れた時に、ばい菌や汚れが付いたのではないかと思う時

手を洗うことで、何か悪いことが起きず安心を得られる時

など、実は手洗いには、様々なシーンと心理が関与しているのです

手洗いは必要な行為。
しかし頻度が多くて困っているなど感じた時

もちろん、清潔さを保つうえで、手洗いはとても大切な行為です

もし、繰り返し洗うことで、困ることが起きている時に、是非この記事が参考になればと思います。

汚れるのが気になって、公共の施設の利用ができない、外出できない

1日の中で、手洗いに時間が、沢山費やされてしまう

手荒れがひどく、出血などが起きているにも関わらず、手洗いを何度もやめられない

上記の状況などの為に、生活や日常行動に支障が出てしまっていることはありませんか?

なかなか手洗いが止められない時、注目したい心理面とは

なかなか手洗いが止められない時、

「手を洗うことで、満たされる気持ちや心理に注目してみる」ことは良くあります。

まだ汚れているかもしれないという不安が、「手を繰り返し洗うことで」払拭できる

何か悪い病気や菌を持って帰ってしまうかもしれない、取り入れてしまうかもしれないという不安が「手を繰り返し洗うこと」で払拭できる

「手を洗うことで得られる安心」がない・止まると、何か悪い事やとんでもないことが起こるかもしれないと感じる

などの、心理面が強く働いてしまうことがあります。

潔癖症や強迫性障害や不安に対する認知面など

「菌」や「汚れること」に対する潔癖症を含めた強い不安や認知面への影響だけではなく、

「手を洗わないと」で何か悪いことが起きるのではないかと不安や恐怖が募ってしまう強迫性障害などの影響など様々です。

「手洗いで得られる安心感」の存在が大きくなってきてしまう

「身近な不安」と「手洗いを止めること」が強固に結びついてしまうと、

手洗いで得られる安心感の存在がどんどん大きくなってしまい、「その安心感からやめられなくなる」ことが起きてしまいます。

「科学的な無菌」や「根拠や理屈」ではなく、大切なのは「安心できる」・「許せる」到達点

実際に何度も手を洗ったところで、医学的にも科学的にも無菌扱いになることはありません。がそのような根拠や理屈ではなく、自分がどこまで洗ったら許されるか、自分がどこまで洗ったら安心するかが到達点であることは一つ注目すべきポイントでもあります。

そして、これらの到達点が、様々な日常のシーンやきっかけにて、「1回の手洗いじゃ許せない」「他所を触るごとに洗わないと気が済まない」といった到達点が次第に高くなってしまい、ハードルとなってしまうのです。

その為、手がどれだけ荒れて傷がついていようとも、「洗い続けてしまったり」

日常生活に支障ができても、「繰り返し洗ってしまう」のでもあります。

また、時に、手を洗うことがバカバカしい事だと思っていても、繰り返してしまうというといったこともあるのです。

「安心感」「不安の払しょく方法」と手洗い

また心理療法や心理カウンセリングでは、手洗いだけでなくても「安心感」「不安の払しょく方法」について深く整理していくこともあります。

もちろん「手洗いを急に止めるのではなく」、まずは不安の低い場面やシーンを想定して、「手洗い」の頻度を見直してみることを丁寧に考察してみるなど、取り組み方は相談者の状況に応じて様々です。

何よりも、急に取り組むのではなく、まずは少しづつできていることを積み重ねて、「成功体験」を大切にしていきながら、カウンセラーと共に認知行動療法に向き合うこともあります。

さいごに

手洗いを何度も繰り返してしまうことについて心理面から記載をしてみました。不安や強迫性障害などだけではなく、認知面に対する変化が影響していることもあります。

安心感と不安の払しょく方法として「手洗いを繰り返してしまう」というテーマで今回は紹介させていただきました。

強迫性障害「行動を止めることによる不安の増加とは」

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監修者

カウンセリングルームここまり医師

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