ストレスは悪なのか?対処法や原因について紹介

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2023.04.01

ストレスは悪なのか?対処法や原因について紹介

ストレスとは

「ストレス」という言葉は今やもう聞いたことがない人はいないというほどに広く一般的に使用されるようになりました。「ストレスが溜まっている」「ストレスを感じている」などと日常生活においても多くの場面で使われており、「ストレス」という言葉を口にしたことがない人もいないのではないかと思います。

では、そもそも「ストレス」とは何なのでしょうか?

厚生労働省の発表している定義では、「外部からの刺激などよって体の内部に生じる反応のこと。その原因となる外的刺激(ストレッサー)も含めてストレスと呼ばれる」とされています。

例えば「口うるさい上司がいて、注意されると胃がキリキリする」というストレスを感じている場合「口うるさい上司からの注意」が外的刺激(ストレッサー)で、その外部からの刺激によって「胃がキリキリする」ことが体の内部に生じた反応、となります。

ストレスというものは大なり小なり私たちの身近にあるもので、日々感じるものです。ストレスのない生活を実現するということは非常に難しく、上手く付き合っていくことが重要となります。

ストレスの原因に気が付く

カウンセリングに来られる方で、ストレス自体を感じることができてない(自覚できていない)方がいらっしゃいます。また、おそらくストレスは日々蓄積していっていると思うけど、その途中経過には気が付けず、気が付いたときには容量オーバーになってしまっている、というケースは少なくありません。自分自身の心の状態を把握することが苦手になっていたり、心が疲れていて本来感じるはずの不調や不快感を感じられなくなっていたり、自分にとって何が良いのかがわからなくなっていたりすることが多いように思います。

相談者さんとの背景の理解や対話は大切

カウンセリングに来られている相談者さんに対して、このような場合はまず、自身に起こっている身の回りの出来事について整理することから始めることが多いです。結婚、引っ越し、出産、退職、転職、部署移動、大切な人との別れ、家族の病気・・・・・等々一般的にはおめでたいことからそうではないことまで、さまざまな出来事がストレスの原因になりうるのです。また、このようにわかりやすい出来事や変化がある場合は最近の出来事をさかのぼっていくだけで容易に気づくことができますが、何も目立った出来事や変化がない日々を過ごしている場合は気が付くことが難しくなります。

目だった出来事がなくても、ストレスは溜まる

そういった場合も、特別なことはなくても普段どのように過ごしているか丁寧に振り返ることで原因にたどり着くことができる可能性が高まります。毎日ごはんを作る、掃除・洗濯をする、満員電車での通勤、なんとなく合わないと感じる上司や同僚、ワンオペの育児、忙しい毎日・・・・・日常生活の一部になっていて敢えて「困る」「悩む」とまでは感じていなくとも、日々ストレスを感じることは身近にあるものです。そして、意外と身近にありすぎて「あーこれがストレスになっていたんだ」と改めて感じることさえもなくなっていることもあるのです。

原因に気が付くことは、理解のスタートに

ストレスの原因に気が付くことがなければなんとなく不快な状態が続いたまま日々過ぎていき、ストレスはどんどん蓄積していく・・・・という悪循環が生じてしまうことになりかねません。しかし、原因に気が付くということは悪循環のスタートに気が付くことになり、その悪循環にストップをかけることにも繋がるのです。

ストレスへの対処法

では具体的にストレスに対して、どのように対処したらいいのでしょうか。これは意外と多くの方にとって課題になるテーマです。

自分の心のストレスを上手く発散できない方も多い

ストレスを上手く発散させることができずに蓄積してしまい、心の不調を感じられる方の多くは日々、とても「頑張って」おられます

また、頑張ることが当たり前になっていて力の抜き方がわからなくなってしまっている方も多くいらっしゃいます。ある相談者さんがカウンセリングの中で「楽しいこともせずにずっと頑張ってきたから、ストレス発散の仕方がわからない」と仰っていたことがありました。娯楽などを一切排除し勉強や仕事、家事や子育てなど日々頑張ることが当たり前になってしまうと、自分の心を休ませてあげる方法がわからなくなってしまうようです。

趣味や好きなことを「考えて」みるだけでも

まず、趣味や好きなことがある方はそれに触れることをお勧めします。忙しさに振り回されて趣味も全くできなくなっている場合、5分、10分といった少しの時間でも自分の心が安らぐものに触れるだけで気持ちが落ち着くことがあります。旅行やアウトドアなど時間や事前の準備が必要で簡単には実行できないものの場合は、次にどこに行こうか、何をしようか、と考えたり行きたいこと・やりたいことのパンフレットやインターネットのサイトを見たりするだけでも効果があります。

カウンセリングのように、辛かったこと、頑張っていることを話せる場所

もちろん旅行や本の準備など大がかりなことをする必要はなく、「辛い」「大変だ」などとことばにしてみたり、「あー自分って意外と頑張ってるんじゃない?」「よくやったよ」と自分の頑張りを認めたり褒めたりすることも十分大切なことです。もちろんカウンセリングのような思いや背景を共有できる場も大切です。

ストレスの悪循環に、一つ違うことを差し込んでみることが大切

もし、趣味や好きなことなどが浮かばない、という方は厚生労働省のホームページに『こころと体のセルフケア』というページがあり、いくつか方法が提案されていますので参考にされてみても良いかもしれません。いずれにしても大切なのはストレスの悪循環に何か違うものを差し込んであげることなのです。

ストレスは悪なのか?

ストレスは苦しめる為だけではない側面もある

一般的にはストレスというと非常にネガティブな印象をもたれています。ですが、ストレスが全くないことが必ずしも良いことか、というとそうではありません。時にストレスは私たちを成長させてくれることがあります。

テストや目標など一定のストレスが効果を発揮することも

例えば、学校でもうすぐテストがある、という場合です。学生たちにとってテストはストレスの原因になりがちで、積極的にテストを受けたいと思っている人や楽しみにしている人は少ないと思います。ですが、仮にテストに向けて一生懸命勉強し、学習内容に対する理解が深まり、良い点数が取れたとします。とすると、この場合はテストというストレスの原因によってポジティブな効果が得られたことになります。このように、必ずしもストレスは悪いことばかりを引き起こすものではないのです。

ストレスは危険回避のきっかけにも

ストレスは時に、危険回避を選択するきかっけにもなります。そのストレスが長期的に見てどういう影響を及ぼすものなのか、時には冷静に判断するための一要因となることもあります。

さいごに

過度なストレスは心のバランスを崩す原因となる可能性があります。しかし、適度なストレスは私たちを成長させてくれる原因にもなり得ます。成長という一面ではなく、時には危険回避のきっかけにもなります。一概に「悪」と決めつけるのではなく、自身の状態を把握したうえで付き合っていくことが重要なのです。

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監修者

カウンセリングルームここまり医師

カウンセリングルームここまりの精神科医師と公認心理師・臨床心理士による記事記載と投稿。

医師としてのメンタル診療やメンタルヘルスに関する視点だけではなく、様々な人たちの日々の悩みなどにも注目して記事の記載や監修を行っています。カウンセリングルームここまりは臨床心理士と公認心理師の所属する名古屋市の金山と名古屋駅のカウンセリングルームです。

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