恋人関係の悩みについて『カウンセリングの取り組み例をご紹介』

恋愛

2023.04.05

恋人関係の悩みについて『カウンセリングの取り組み例をご紹介』

恋人との関係がメンタルに与える影響とは

恋人との関係はメンタルヘルスに大きく影響すると言われています。皆さんも彼氏や彼女と喧嘩をしたときなどは、気分がひどく落ち込んだり、物事を悪い方にばかり考えてしまうといった経験をしたこともありませんか?

中にはこうした辛い気持ちを避けようとするあまり、過度に自分の気持ちや考えを抑え込んで相手に合わしてしまう方もおられます。 

お互いに相手の意見や気持ちを尊重することは大切ですが、これが過度なものになると、恋人の前であっても自分らしく振る舞うことが難しくなったり、不平不満を一人で抱え込んで、かえって恋人との関係をギクシャクしたものにしてしまう恐れもあります。こうしたことが積み重なると、慢性的な不安や抑うつ、強い苛立ちなどメンタルヘルス上の問題に繋がる可能性もあるため注意が必要です。

恋愛に関連する悩みやメンタルの不調のカウンセリング相談も多い

カウンセリング場面でも、こうした恋愛に関係するメンタルヘルスの問題を抱えて来談される方のお話しをお伺いしています。

カウンセリングにおけるエピソード例をご紹介いたします

Aさんは「彼氏(Bさん)から嫌われる」という強い不安を抱えてカウンセリングに来られた女子大生です。Bさん(彼氏)は、Aさんが初めて交際した男性で、AさんはBさん(彼氏)と交際できることを大変喜んでいました。しかし、交際を続けるにつれて、次第にAさんは自分の何気ない言葉遣いや仕草がBさん(彼氏)を不快にしてはいないかと心配するようになりました。

彼氏に嫌われたくない想いで、自分を押し殺してしまう時

また、Bさん(彼氏)の些細な言動から「自分はBさん(彼氏)に嫌われている」と捉えて落ち込むことが増えていきました。実際にBさん(彼氏)にこうした心配のことを話すことをAさんは怖くてできませんでした。そして、「これ以上嫌われないように」とAさんはBさん(彼氏)の考えや行動に自分を過剰に合わせて、自分の気持ちや意見をどんどん後回しにするようになりました。

体調不良が現れ始める

こうした状況でAさんは毎日強い不安や我慢の中で生活し、大学の授業にも集中できず、食事や睡眠もまともに摂ることができないようになりました。頭痛や倦怠感も増えて、Bさん(彼氏)からも体調を心配されるようになりました。Bさん(彼氏)に勧められて内科を受診しましたが、自分が困っている本当の理由を話すことができず、その後も体調不良を繰り返すようになりました。

彼氏との関係の見直すきかっけとは

このようなAさんを間近で見ていたBさん(彼氏)は『自分と一緒にいることで調子を崩しているように見える』『一度お互いに距離をとって様子をみよう』とAさんに話しました。Bさん(彼氏)は決してAさんのことを嫌いになったわけではなく、純粋にAさんの体調が少しでも良くなればと考えての発言でしたが、Aさんは「やっぱり嫌われてしまった」「Bさん(彼氏)との関係はもう終わった」と捉えて強い落ち込みや喪失感を経験しました。

ここで初めて本当の苦しみの理由を病院で話し、Aさんが心療内科を紹介されたことでカウンセリングを始めることになりました。

『恋愛に関する』カウンセリングの取り組みとは

カウンセリングでAさんは、「もう誰とも交際することはできない」「嫌われないように精一杯努力してきたのに」と涙ながらに語られました。カウンセラーはこうしたAさんの気持ちに寄り添い、これまで抱え込んできた辛さをAさんのペースで話せるように丁寧な傾聴に努めました。

傾聴や対話を通して、理解を深めていく

Aさんの様々な思いを聞く中で、カウンセラーは、Aさんが物事を非常に否定的に解釈する傾向があると感じました。そして、Aさんの気持ちが落ち着いてきた時期に、このことをAさんと検討することにしました。すると、「自分に自信がなく、今まで誰かとの恋愛なんて諦めていた」「Bさん(彼氏)と交際できたのは奇跡で次は二度とない」というAさんの発言が出てきました。絶対にできないと思っていた恋愛をできたことがAさんにとっては本当に嬉しく、その喜びを失いたくないという強い思いがBさん(彼氏)との関係に現われていたと考えられました。

現実面と、思い込みの面をカウンセラーが整理するお手伝いも

「恋愛なんてできない」というAさんですが、実際にAさんはBさん(彼氏)との交際に至っています。AさんとBさん(彼氏)は大学の文芸サークルで知り合いました。昔から読書や物語を書くことが好きだったAさんの作品をBさん(彼氏)が気に入ったことがきっかけでした。好きな作家や自分の作品のことを楽しく話す中で次第にBさん(彼氏)と親しくなり、あるときBさん(彼氏)から告白されたという経緯をAさんは話してくれました。

そして、「物語を書くことは自分らしさを感じて表現することだった」「Bさん(彼氏)と交際してから読書や物語を書いていない」と語り、自分らしく生きることを忘れていたことに気づきました。

自分らしさの大切さ

Aさんは少しずつ物語を書くことを再開し、「私らしく生きている」という感覚を思い出す中で徐々に辛い気分や体調が改善していきました。Bさん(彼氏)が新しいAさんの物語を読んで『また一緒に物語を読んだり、話すことができて嬉しい』と伝えたことで、Aさんはより強い安心を得てBさん(彼氏)との交際を再開しました。

さいごに

相手を想うことと同じくらい自分らしさを大切にすることが恋愛では必要です。自分らしさを再確認する機会にカウンセリングがなれば幸いです。

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監修者

カウンセリングルームここまり医師

カウンセリングルームここまりの精神科医師と公認心理師・臨床心理士による記事記載と投稿。

医師としてのメンタル診療やメンタルヘルスに関する視点だけではなく、様々な人たちの日々の悩みなどにも注目して記事の記載や監修を行っています。カウンセリングルームここまりは臨床心理士と公認心理師の所属する名古屋市の金山と名古屋駅のカウンセリングルームです。

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