人の目を気にしすぎてしまう心理傾向とは≪自己評価が下がりやすい理由について解説≫

友人関係

2023.02.14

人の目を気にしすぎてしまう心理傾向とは≪自己評価が下がりやすい理由について解説≫

【心理背景】人の目を気にしすぎてしまう背景とは

カウンセリングの中で「人の目を気にしてしまう」「人から自分がどう思われているのかが不安で仕方がない」などと訴えられる方は非常に多くいらっしゃいます。常に人からの評価を気にして社会から受け入れられる人間であることが求められる機会が多いだけではなく、特に最近は「空気を読む」ことが当たり前で「空気を読めない」人は疎まれる傾向があります。

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実生活でも人とのかかわりは避けては通れない

当然、多かれ少なかれ人は誰かと関わらなければ生きていくことはできません。家族、同僚、先輩、後輩、はたまたスーパーやコンビニのレジの人、電車で隣り合わせになった人・・・・など関わり合いの程度や深さに差はあれど誰かと関わることで私たちの生活は成り立っていると言うこともできるのではないでしょうか。いくら一人で生きていく、と決めている人であっても全く人と関わらないで生活していくことは不可能に近いでしょう。

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【人とのかかわり】上手・下手は大きな関心事でもある

特に日本人は昔から「個人」よりも「集団」の調和を大事にするところがあり、調和を乱す人は村八分と言われるように、いわゆる地域の中で仲間はずれにされさらに孤立させられていく・・・・という風潮もありました。今はこの村八分という風習が残っている地域こそ少ないですが、学校などのクラスでは少しでも目立った言動があれば目をつけられ良くない噂を流されるというような集団の中で孤立するきっかけを作ってしまうことは往々にしてあります。社会に出てからは特に上司から求められていることを推測して行動したり「忖度」できたりする人が評価される、ということもあります。

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個性を大切にしつつも、集団での関わり方は軽視できない

欧米の文化や考え方が多く日本にも入ってきて一時期は「個性」を大事にするという流れも出てきたところはありますが、根本にある「人と違うことへの不安」はなかなか払拭されていないようにも思います。人それぞれ容姿も考え方も違うということは当然のごとく認識していながらも、心の部分ではどこかそれを受け入れきれていない、どこのだれでもない「みんな」と違うことに大なり小なりの不安を抱いている人は少なくないようです。

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「ある程度」を超え、気に「しすぎて」しまうことが招く心理とは

ある程度、自分が人からどう見られているか、どのように評価されているかということを気にすることは重要なことです。ですが、その「ある程度」を超えて「気にしすぎてしまう」と日常生活、社会生活が非常に送りづらいものとなってしまいます。

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≪心理ポイント①≫【自己意識】とは何か

ほとんどの人たちがもっている自分自身についての意識を心理学の用語で「自己意識」といい、その自己意識は「私的自己意識」と「公的自己意識」に分けることができます。私的自己意識とは自分の考えや性格についての意識、公的自己意識とは自分の容姿や服装、動作についての意識のことをいいます。この自己意識があるから人は時や場所にふさわしい服装や髪型、メイクなどを整え適応的な対応をすることができます。

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≪心理ポイント②≫『私的自己意識』『公的自己意識』

ある実験では公的自己意識を高めるために目の前に鏡を置いたり他者に見つめさせたりさせると、自分に注意が向き公的自己意識が高くなるという結果が出ています。つまり人の目が気になり人からの評価に不安になっている人は、この公的自己意識がいつも高い状態になっていると言えます。そして、この実験から「自己に注意が向かうと現実の自己と理想の自己の食い違いが強く意識されるため、自己評価が低下し、不快な感情が生み出される」ということが明らかになっています。言い換えれば、周りの視線を気にしやすい人は多くの場面で理想と現実のギャップに晒されることになりいつの間にか自己評価が低下している、ということになっているのです。

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≪心理ポイント③≫人の目が気になると、自己評価が低下する傾向もある

人の目が気になり、人からの評価に不安になっている人は、周りの視線を気にしやすく自分に向けられることで生じる、理想と現実のギャップを強く意識してしまうことが増え、自己評価が低下してしまっているのです。

そこからはどんどん悪循環にはまり、自己評価が低いから自分のできてないことが余計に気になるようになり、そうすると周りからの評価も下がっていくことが不安になりさらに人の目が気になり・・・・その不安にさいなまれ振り回されてしまいどんどんパフォーマンスが下がっていくことが予想されます。

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さいごに

人の目を気にしてしまう心理傾向について紹介をしました。人の目が気になりやすい人や、人からの評価に不安になっている人は、自分に注意が向かうことに対する感受性が高く、結果として『自分がどう見えるのか』という現実と、『本当はどう見られたいのか』という理想のギャップがどんどんと大きくなり、自己不安や自己評価が低下してしまう傾向があるというお話でした。

そしてその自己評価の低下はさらに「人の目を気にしすぎる」クセを一層強めてしまうのです。

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人の目を気にしすぎてしまう時【カウンセリングでの対応について】

監修者

カウンセリングルームここまり医師

カウンセリングルームここまりの精神科医師と公認心理師・臨床心理士による記事記載と投稿。

医師としてのメンタル診療やメンタルヘルスに関する視点だけではなく、様々な人たちの日々の悩みなどにも注目して記事の記載や監修を行っています。カウンセリングルームここまりは臨床心理士と公認心理師の所属する名古屋市の金山と名古屋駅のカウンセリングルームです。

※只今、オンラインカウンセリングの新規受け入れを休止いたしております。相談歴がある方は担当カウンセラー宛に当ルームへご連絡ください。

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