どのようにカウンセリングに臨むと「効果的」なのか

家庭 恋愛 子育て 仕事 友人関係 学校

2023.03.28

どのようにカウンセリングに臨むと「効果的」なのか

どのようにカウンセリングに臨むと「効果的」なのでしょうか

カウンセリングを求めて来院される相談者様は非常に多くなっております。

ここでは、カウンセリングの効果をもっと高めるために、「どのようにカウンセリングに臨んだら良いのか」、更には、「心理士との関係について」の説明を行っております

カウンセリングを受けるご本人の必要性や理由について

カウンセリングに対するモチベーション

カウンセリングに至る経緯は様々で、自分から受けたいと思った方はもちろん、同僚や先輩、学校の先生や親など周囲の人間からの勧めで来られる方も多くいらっしゃいます。自身で必要と思って来られる方は必要性を感じておられるため、モチベーションが高いことが多いのですが、周囲からの勧めで来られた方の中には自分では必要性を全く感じない、と言われる方もいらっしゃいます。

きっかけは周囲の勧めであっても、自分自身の問題について見つめ必要性を感じていてもらえると、心理士としてもありがたくカウンセリングの導入や、相談者との治療契約がスムーズに進みます。

目的や目標について

モチベーションと通ずるところがありますが、何を目的にカウンセリングを受けたいと思っているのか、カウンセリングを受けることでどうなっていきたいか、といった目的や目標があると心理士もどこに焦点を当てアプローチしていったら良いのか、ということがわかりやすく、共有しやすいので相談者との治療関係も構築しやすい印象です。

時間とともに目標は変化しても大丈夫

この目的や目標は治療の途中で変わることもあるため「絶対」のものではなくても良いです。ただ、最初の段階で目的や目標がなく「ただ何となく」始めるカウンセリングについては治療効果の期待が薄いです。

心理療法の型式にこだわり過ぎなくても大丈夫

カウンセリングというものが一般的になり「○○療法を受けたい」など相談者自身がいろいろと調べて来談されることも多くなってきました。「認知行動療法」「精神分析的心理療法」「行動療法」など、カウンセリングの具体的な方法は、数えきれないほど沢山あります。

しかしその場合には、心理士が相談者を見立てた実際の症状に対して、相談者が最初に希望しておられる療法が適切かどうかという判断が必要です。時には相談者が誤った情報やイメージをもってカウンセリングに来られることもあります。

自分にとって良い方法かどうか。心理士と一緒に見つけてみる気負いすぎない気持ちで

「〇〇療法」といった心理手法にこだわり過ぎたり、カウンセリングに関する事前情報を取り入れ過ぎず、まずは自分が今よりも楽になるための方法、生きやすくなるための方法を一緒に心理士と見つけてくという心づもりでいてもらえると、より相談者の実態に合ったカウンセリングを受けていただきやすくなります。

他の相談者と自分の比較を行いすぎないことも大切

相談内容はお一人お一人違うだけではなく、考え方の特性やこれまでの背景も違うものです。「あの人はこうして良くなったようだ」「あの人はこうして治療したようだ」といった他者との比較や追従ではなく、「あなた」の症状や状態に焦点を当てて治療に取り組むことがとても大切なのです

カウンセリングは共同作業でもあります

「相談者の心を言い当てたり、良い方向を言い当てる」とは異なるのです

TVやインターネットなどメディアの情報の影響か、カウンセリングはカウンセラーが相談者の心を言い当ててくれる、良い方向に導いてくれる、といったイメージを抱かれる方もいらっしゃいます。また、何か特効薬や魔法のような効果を期待される方もいらっしゃいます。しかし、実際のカウンセリングは特効薬でもなく、まして魔法でもありません。もっと泥臭く地道な作業の繰り返しです。

相談者が持っている自分の答えや解決力を引き出す方カウンセリング

また、カウンセリングでは心理士は何の答えももっていませんので、相談者の問題を代わりに解決することはできません。カウンセリングの基本的な考え方として「答えは相談者自身がもっている」「解決する力は相談者自身がもっている」「心理士はその答えや力を引き出したり気づいたりすることを援助する」だけ、というものがあります。これはどのオリエンテーションでも共通することだと思います。そのために心理士は丁寧に話を聞き、相談者を理解しようと努力します。

万能な効果の期待や、極端な受け身の姿勢よりも、効果的なカウンセリング方法へ

カウンセリングに極端に受身的な姿勢で来られたり、万能的な効果を期待して来られたりした場合、実際はそうではないというところから、カウンセリングが始まってしまうために需要と供給がアンマッチになり、なかなかうまくいかない、ということは往々にして起こります。心理士と相談者の共同作業であるからこそ、見えてくる自分への気づきや、こうしたいという一歩への足がかりにたどり着きやすくなるのです。

さいごに

カウンセリングについての記載をさせていただきました。「どうしたら良いか教えて欲しい」「どっちにするべきか答えて」というのがカウンセリングではなく、耳の痛いことも時にはあるかもしれません。

また整理したり探ったりするよりも、まずは心理士に話をたくさん聞いて欲しいと感じる時もあると思います。そのような時も含めてコミュニケーションをとりながら相談者が心理士と共に一緒に取り組んでいくことがまず何よりもカウンセリングでは大切なのです。

カテゴリ:

家庭 恋愛 子育て 仕事 友人関係 学校

監修者

カウンセリングルームここまり医師

カウンセリングルームここまりの精神科医師と公認心理師・臨床心理士による記事記載と投稿。

医師としてのメンタル診療やメンタルヘルスに関する視点だけではなく、様々な人たちの日々の悩みなどにも注目して記事の記載や監修を行っています。カウンセリングルームここまりは臨床心理士と公認心理師の所属する名古屋市の金山と名古屋駅のカウンセリングルームです。

※只今、オンラインカウンセリングの新規受け入れを休止いたしております。相談歴がある方は担当カウンセラー宛に当ルームへご連絡ください。

このサイトは医療機関である心療内科・精神科のひだまりこころクリニックによる指導・監修がなされています。