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2023.04.03
出会いと仲良くなるということ『親和欲求』『自己開示』とは
出会いと『親和欲求』とは
出会いと仲良くなること
人は日常生活の中で多くの人と出会います。生まれた時に一番最初に親に出会い、祖父母、親戚、きょうだい、近所の人、保育園・幼稚園の先生やお友達、小学校・中学校から社会人になり人生を終える瞬間まで、必ずと言っていいほど誰かと出会い、関わりながら生きていくことになります。
しかし、中には人生の始まりから終わりまで、避けることのできない「人との出会い」や「人間関係」に悩まされ、苦しむ人もいます。学校生活では新しいクラスで友達ができるか、どんな人たちと同じクラスになり、どんな人が担任になるのか、社会人になればどんな同僚と出会いどんな先輩に出会うのか、人間関係はうまくいくか、大なり小なり心配になるものです。
『親和欲求』と『親和行動』とは
心理学では人は「親和欲求」をもっていると言われ、それをもっているからこそ「親和行動」がとられると考えられています。親和欲求とは、親しい人と一緒にいたい、という気持ちのことで、親しい人と一緒にいること、仲良くなるための行動が親和行動です。ある調査では、人は友人や恋人、家族など親しい人と一緒にいるときが一番安心し、くつろぎ、幸せに感じるという結果が出ています。悩みの原因になることも多い人間関係ですが、大きな幸せや安心感を感じさせてくれるものにもなりうるのです。
仲良くなるために必要なこと『自己開示とは』
「自己開示」という言葉を聞いたことがある人は多いのではないかと思います。読んで字のごとく、「自己」を「開示」する、つまり自分のことを相手に知らせるということです。これは人と人が仲良くなるために必ずといっていいほど必要なことです。
初対面の人との出会い
初めての人と出会った時、どんなことを話しますか?初めての人に対して、自分のことをどの程度話しますか?
人間関係が始まり、これから深まろうというとき、自分が自分のことをどれくらい話し、相手も自分のことについてどれくらい話すのか、ということがとても重要になります。私たちは、相手によって話す内容を変えます。一般的に初対面の人に話す内容は表面的で浅く、徐々に関係ができてくると自分の内面や悩みなど深い話をするようになります。また、友人、同僚、先輩や後輩、恋人など関係性によっても内容や深さは異なります。
お互いに自己開示をすることは、親しみと好意が湧きやすい
お互いに自己開示をし、相手のことを知れば親しみがわき、好意をもてるようになります。相手も同様に自分のことを知れば親しみをもって好意を寄せてくれるようになります。人間関係は相互作用です。一方的に自己開示をしても関係は深まらず、人間関係は成立しません。相手がどの程度自己開示し、自分もどの程度自己開示をするのか、良い人間関係を構築するためにはお互いにバランスの取れた自己開示をすることが大切とも言えるのです。
自己開示がうまくいかない人の傾向とは
自己開示することに関して、過去に傷つきを体験している人も
カウンセリングで出会う人の中にはこの自己開示がうまくできない人がいます。原因は人それぞれですが、過去に失敗したり自己開示した内容を批判されたり、といった傷つきを体験している人も多いです。
最初から「自己開示がうまくできない」と相談に来る方はほとんどおられませんが、よくよく話を聞いていると自己開示がうまくできないことによって人間関係に躓き、不安が高まっているという方は多くいらっしゃいます。
カウンセリングの場での取り組みについて
カウンセリングの場でも人間関係の構築の上で、まずはどんな風にうまくいかなかったのか、自分はどうしたいのか、ということを丁寧に聞き、整理します。そして、うまくいかない原因を探っていきます。
最初から自分のことを開示しすぎてしまった人、不安が強すぎて開示できなさすぎる人、さまざまですが、まずは自分自身のことについて振り返り理解を深めていきます。また、相手の反応を敏感に察知しすぎてしまい、必要以上に気にしてしまい関係がぎこちなくなってしまうこともあります。原因が整理されてきたら、その原因に対して、どのように対処できるかということを考えていきます。
カウンセリングで実際に作戦会議を行うこともあります
カウンセリングの中で作戦会議をし、どうしたらよかったのか、これからどうしていったらいいのかということを考えます。自分の中で「どうしたらいいのか」という方向性が見えてくると不安が少しずつ軽減されていく、という方が多いです。自分のことの伝え方、相手の反応の受け取り方、人間関係の中で起こりうる様々なシチュエーションや今までの体験を再度捉えなおし、過剰になっていないか、偏りがないかなど修正していきます。
過去の傷つきをどう癒していくか、そして今後どう対応するかという検討も大切
また、批判などを受け傷ついた方に対しては、今後似た場面に出会った時にどう自分を守るか、ということを話し合うことがあります。自分が仲良くしようと自己開示しても相手から同じ程度に返してもらえるばかりではありません。その時は無理して継続するのではなく、相手の程度に合わせ距離をとることも必要な場合があります。カウンセリングではできるだけ傷ついた気持ちを丁寧に聴くとともに、今後どうしたら不安は軽減されていくか、その人に適した方向性やスタンスを見つけていくことを目指します。このようにして、今までの体験から課題を見つけ出し、今後より人付き合いをしやすくなるようにカウンセリングではサポートしていきます。
さいごに
出会いと仲良くなるということについて『親和欲求』『自己開示』という視点で記載をしてみました。人と仲良くなるためには、『自己開示』が大切な時もありますが、時としてその行動で傷つき、臆病になってしまうこともあります。
ここでは、カウンセリングに関する考え方も紹介しながら、『親和欲求』や『自己開示』について紹介をしております。
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監修者
カウンセリングルームここまり医師
医師としてのメンタル診療やメンタルヘルスに関する視点だけではなく、様々な人たちの日々の悩みなどにも注目して記事の記載や監修を行っています。カウンセリングルームここまりは臨床心理士と公認心理師の所属する名古屋市の金山と名古屋駅のカウンセリングルームです。
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